国内ETFの実質コスト比較(2014年8月末)

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多くのファンドの新しい決算短信が公開されましたので2014年8月末時点での、インデックス投資に適した主要な国内ETFの実質コスト、総資産総額、最低購入金額、乖離率などを更新しました。

みなさまのinvestment vehicle(投資に利用する金融商品)の選定のお役にすこしでもなれるとうれしいです。

計算方法は以下の記事をご参照ください。

国内ETFの実質コスト計算方法
国内ETFの実質コストの計算方法をご紹介します。

今のところ調査対象は、国内株式(日経225、TOPIX)、先進国株式、新興国株式、全世界株式としています。

他のインデックスのリクエストがありましたらお知らせください。

国内ETFの実質コスト・総資産総額・分配金実績乖離率の比較表

国内株式 日経225

コード 名称 実質コスト 分配金課税込の実質コスト 信託報酬率(税込) 総資産総額
(億円)
最低購入金額 乖離率
1320 ダイワ上場投信-日経225 0.19644% 0.45848% 0.16920% 8987 15660 履歴
1321 日経225連動型上場投資信託  0.23704% 0.49503% 0.23265% 20009 15670 履歴
1329 iシェアーズ 日経225 ETF 0.18786% 0.37771% 0.17850% 1226 15730 履歴
1330 上場インデックスファンド225  0.27820% 0.52965% 0.23794% 9706 157300 履歴
1346 MAXIS 日経225上場投信 0.21897% 0.45858% 0.18105% 5796 15770 履歴
1578 上場インデックスファンド日経225(ミニ)  0.29523% 0.57041% 0.23963% 44 1255 履歴

国内株式 TOPIX

コード 名称 実質コスト 分配金課税込の実質コスト 信託報酬率(税込) 総資産総額
(億円)
最低購入金額 乖離率
1305 ダイワ上場投信-トピックス 0.14112% 0.39467% 0.11633% 11013 13140 履歴
1306 TOPIX連動型上場投資信託 0.13765% 0.46081% 0.11633% 17528 12950 履歴
1308 上場インデックスファンドTOPIX  0.12670% 0.45593% 0.09306% 8178 128100 履歴
1348 MAXIS トピックス上場投信  0.12822% 0.43115% 0.08249% 2074 13010 履歴

先進国株式(除く日本) MSCI-KOKUSAI

コード 名称 実質コスト 分配金課税込の実質コスト 信託報酬率(税込) 総資産総額
(億円)
最低購入金額 乖離率
1680 上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)  0.21100% 0.46739% 0.15975% 91 18620 履歴
1550 MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信  0.21924% 0.56158% 0.15900% 43 18040 履歴
1581 iシェアーズ 先進国株ETF (MSCIコクサイ) ETF-JDR(TOK) 0.25000%? 0.60788%? 0.25000%? 528 5790 東証

新興国株式 MSCIエマージング・マーケット/MSCIエマージング・マーケットIMI

コード 名称 実質コスト 分配金課税込の実質コスト 信託報酬率(税込) 総資産総額
(億円)
最低購入金額 乖離率
1681 上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)  0.23344% 0.23344% 0.15975% 71 14200 履歴
1582 iシェアーズ エマージング株ETF (MSCIエマージングIMI) ETF-JDR(IEMG) 0.18000%? 0.40492%? 0.18000%? 507 5600 東証

全世界株式(除く日本) MSCI ACWI ex. Japan

コード 名称 実質コスト 分配金課税込の実質コスト 信託報酬率(税込) 総資産総額
(億円)
最低購入金額 乖離率
1554 上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本  0.31262% 0.52145% 0.21300% 25 16440 履歴

備考

  • 国内ETFの実質コスト計算方法で実質コストを計算しています。
  • 実質コストの計算には、2014/09/06(JST)の時点公表されている最新の決算のデータ(決算短信または中間決算短信)を利用しています。
  • 決算短信は東証の上場会社情報サービスから入手できます。
  • 総資産総額、最低購入金額は2014/08/29(JST)の終値ベースのデータを利用しています。
  • 分配金に対する課税実質コスト律は、2014/08/29(JST)から過去12か月間の分配金総額に対して税率20.315%を乗じた額を、当該日の市場価格終値で割って求めています(簡便化のため、前回と計算方法が変更になっています)。
  • 分配金に対する課税をコストとしてとらえるのは、正確ではない部分もありますが(非課税口座では必要でない、損益通算が可能で場合によっては取り返すことができるなど)、分配金にたいするポリシーがファンドにある程度ゆだねられている投資信託と比較するための参考値として算出しています。(参考記事:分配金なしの投資信託はちょっと無理そうです
  • ETF-JDR(1581, 1582)については、実質コスト、総資産総額を、それぞれ、2014/09/06(JST)の時点での原証券のexpense ratio, net assetsとしています。総資産総額については円建て額が公表されていない場合にはUSD建てのまま記載しています。ETF-JDRの分配金に対する課税については法解釈や分配金の受け取り方、各証券会社の対応などによって変化がありそうなので注意が必要です。
  • ETFの基準価額(実際の価値=1口あたりの純資産額)と市場価格の乖離率については、モーニングスター社のページへリンクしています。ETF-JDR(1581, 1582)についてはモーニングスターでは公開されていないため東証(履歴なし)のぺージへリンクしています。ETF-JDRの履歴は、iシェアーズが公開しているインデックス/NAVの推移(1581, 1582)、日銀が公表している時系列統計データ、市場の取引価格終値をもとに計算することが可能ですが、すでに水瀬ケンイチさんの梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーにて、定期的に計算・公開してくださっているのでそちらを参照されるのがお手軽です。

こちらの記事もどうぞ

過去のコスト比較結果

計算方法

分配金に関する考察

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コメント

  1. long16 より:

    いつもこっそり見させて頂いております.
    丁寧に計算方法等も載せており感心するばかりです.

    分配金課税込の実質コストを計算しているのを見てなるほどと思いました.
    以外とコストは大きくなるのですね.
    インデックスファンドと比較する場合は,やはりこちらも分配金課税込の実質コストを計算して比較すべきでしょうか?
    インデックスファンドでは無分配である場合も決算によってはあるので,
    その場合,ETFとインデックスファンドでコストが逆転することもあり得るのでは思いました.

    今後もこっそり応援しています!

    • 森村ヒロ より:

      コメントありがとうございます。

      分配金がほとんどない投資信託でも、将来売却・換金するときには最終的に課税されることを考えると、分配金に対する課税を実質コストに含めるのは厳密にはフェアではないです。分配金課税を含めたコスト差ほどの差は生じないので。ただ、複利運用を期待する、長期にわたるバイ&ホールドの場合、分配金による途中の課税はマイナス方向であることに違いないです。

      個人的には、国内ETFから投資信託に乗り換えた理由とよかったこと・悪かったことで記載したように、コストよりも使い勝手の面を考慮して、国内ETFではなく、投資信託をメインにすることにしました。取引量の少ない外国株式の国内ETFの場合、市場価格と基準価額の乖離が大きくコスト差が逆転してしまうとか、ETFの特徴である値動きそのものがストレスだったのが主な理由です。

      もちろん、ETFには機動性が高い、信用取引が可能など、投資信託にはない利点もあるので、コスト差以外の性質の違いも考慮して、どちらが向いているかを選択するのがよいのだろうと考えています。