投資信託の端数の丸め方と資産管理のための記録の取り方

資産の構造の明確化、口座の分離を行ったことで、資産の見える化ができ、資産の管理がしやすくなりました。

そこで、本格的に将来の分析用に記録するべく、入金や売買の履歴をまとめていたところ、ふと「投資信託を扱っていくうえで発生する端数はどう丸められているのだろう?」ということが気になってしまいました。

証券会社のFAQや、運用会社の目論見書などを見てもはっきりしなかったため、証券会社に問い合わせてみました。

この記事では、投資信託の各種計算で発生する端数の丸め方の実態と、それを踏まえて、資産を管理していくうえでの記録の仕方について考えています。

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投資信託で発生する端数とは

投資信託で発生する端数には、いくつか種類があります。

一つ目は、大抵の投資信託の場合、投資信託の価値を示す基準価額が、10000口当たりの価値であることに由来する端数です。「基準価額×口数÷10000=金額」で計算されるため、口数(保有口数や、買付・解約の口数)が10000口の倍数でない場合には普通に端数が発生します。

また、金額指定で買付・解約が可能なため、金額に対応する口数を計算する際にも端数が発生します。金額から口数を求めるためには「金額÷基準価額×10000=口数」という計算を行いますが、ここにも割り算があるため、普通に端数が発生します。

もう一つは、投資信託の解約時の信託財産留保額の計算時や販売手数料、税金など、一定の割合を乗じて計算するときに発生する端数。たとえば、信託財産留保額は、解約する資産の0.1%や0.3%であるため、普通に端数が発生します。

税金や販売手数料などは、切り捨てにすることが慣習になっており、あまり悩むことはありません。

そこで、この記事では、投資信託に固有で低コストのインデックスファンドでコツコツ投資を続けていくうえで直面する機会の多い「基準価額×口数÷10000=金額」と「金額÷基準価額×10000=口数」および、信託財産留保額で発生する端数にフォーカスして考えます。

以下の考察では、いくつかの投資信託の目論見書(交付目論見書、請求目論見書)と、SBI証券、楽天証券に問い合わせて得た回答をもとにしています。

当然のことですが、保有口数や、買付・解約の口数や、授受する代金が端数とならないことが大前提です。

評価額・清算金額の端数の丸め方

評価額・清算金額の端数の丸め方は、委託会社(運用会社)やファンド(投資信託)ごとではなく、販売会社ごとのルールで決まるとのことでした。

SBI証券も、楽天証券も「基準価額×口数÷10000」で求めた値の小数点以下を四捨五入するとのことです。

SBI証券の場合、システム上の画面によって丸め方が違っているのが興味深いです。「ポートフォリオ」の画面では、小数点以下第2位まで表示されていますが、「口座管理」以下の画面では丸められた値が表示されています。

投資信託を金額指定で買付・解約するときの端数の丸め方

金額指定で買付したときの口数の決定方法は、販売会社ごとのルールで決まるとのことでした。同じファンド(投資信託)であっても、販売会社によって丸め方、計算方法が異なるということのようです。

例えば、楽天証券の場合は、「金額÷基準価額×10000=口数」の計算で発生した端数は一律切り捨てるとのことでした。

他方、SBI証券の場合は、もう少し複雑で、以下の流れで決定するとのことでした。

  1. 「金額÷基準価額×10000=口数」の結果の小数点以下を切り上げた口数=仮約定口数とする
  2. 「基準価額×仮約定口数÷10000」が、注文金額を超えなければ、仮約定口数を約定口数とする。注文金額を超えた場合は、仮約定口数から1を減じた口数を約定口数とする

解約時も基本的な考え方は同じとのことです。楽天証券は金額指定での解約ができません(知りませんでした)。

信託財産留保額の計算方法と端数の丸め方

解約時については、10000口あたりの単価として、基準価額から信託財産留保額を控除した「解約価額」を利用します。

信託財産留保額が0%のファンド(投資信託)の場合、基準価額と解約価額は同一になります。

信託財産留保額がある場合は、委託会社(運用会社)が決めるルールにより決められる解約価額をもとに上記のような計算を行うようです。

「基準価額×信託財産留保額の率=控除価額」「基準価額-控除価額=解約価額」となりますが、これらの計算過程における小数点以下の丸め方は委託会社(運用会社)で決められています。

確認した範囲の目論見書では、丸め方に関する規定は見当たりませんでした。解約価額は、基準価額同様に、委託会社(運用会社)から公表されるものと読める記載もありましたが、WEB上で確認した範囲では見つけることができませんでした。

端数の丸めをどう考えるか

販売会社や、ファンド(投資信託)ごとに丸め方が異なり一般化できないこと、また、それらが書面などで契られているわけではない以上、いつ変わっても文句がいえないという時点で、この辺りを追及することにあまり意味はなさそうです。

投資家としては、丸められた結果を記録・利用していく、あるいは、端数由来の誤差は許容し、端数を丸めないまま計算をつづけて最後に丸めるくらいのおおらかさが必要そうです。

資産管理のための記録の取り方

ここまででわかったことを踏まえて、資産の管理・分析をしていくうえで、何をどのように記録していくべきかについて考えます。

ここで、資産の管理・分析とは、投資金額や、評価額、アセットアロケーション、投資パフォーマンスを把握することを想定しています。

投資パフォーマンスの計算方法と考え方の詳細は以下の記事をご参照ください。

資産形成のための投資を長期間にわたり続けていくうえで、自分の投資方針が妥当であるかを、定期的に確認するのは重要です。 自分の投資方針の...

「外部キャッシュフロー」とは、「ポートフォリオに出入りする資本(現金、または資産)」です。具体的にはパフォーマンスの計測対象口座への入金と出金に相当します。ポートフォリオ資産で得られたインカムはポートフォリオから払い出されない限り、外部キャッシュフローとはみなされないことに注意です。

お手軽コース

月次でのお手軽な状況把握方法です。お手軽ではありますが、ほとんどの投資家にとって十分な方法です。

以下の記録をとります

  • 月単位での外部キャッシュフロー(投資口座の入出金)の金額
  • 締日=月末のポートフォリオ全体の評価額

このデータをもとに、「ディーツ法」で月次のパフォーマンスが計算可能です。外部キャッシュフローの発生日と金額を記録しておけば「修正ディーツ法」が適用できるようになります。外部キャッシュフローを月の最初の日=締日の翌日に行うようにすると、日次厳密法での計算も可能になります。月々の投資金額に対する評価額が十分大きくなれば、外部キャッシュフローの影響が十分小さくなるので、「ディーツ法」や「修正ディーツ法」でも問題ない精度でパフォーマンスを近似することができます。

証券会社によっては、過去の各月末の評価額をさかのぼって閲覧することできるので便利です(楽天証券)。

そのような機能を備えていない証券会社(SBI証券がこのタイプです)の場合は、毎月末に忘れずに確認するようにしたり、マネーフォワードなどの外部のサービスを利用するなどの対応が必要です。

以下はマネーフォワードを使った資産管理・家計簿の記事です。

いまさらながら、マネーフォワードを利用しはじめました。 これまでは、各金融機関の使い分けがあいまいだったり、漠然としたセキュリティ面で...

いざとなったら、取引履歴から、当該時点での各ファンドの保有口数を計算し、基準価額と掛け合わせることにより逆算することも可能です。

マニアックコース

以下の情報を記録しておけば、日次での分析や、多様な視点からの分析など、マニアックなことができるようになります。

  • 外部キャッシュフロー(投資口座の入出金)の発生日と金額
  • ファンド(投資信託)の売買日と売買口数

これらの記録から

  • 外部キャッシュフロー発生日の前日のポートフォリオ全体の金額
  • 締日=月末のポートフォリオ全体の金額
  • 任意の日の保有口数やポートフォリオ全体の金額

を求めることができます。

すると、日次厳密法によるパフォーマンスの計算や、日次での評価額やパフォーマンスも計算することができます。

ようやくスタートラインへ復帰

さて、これを踏まえてとっとと資産状況を把握できるように&記事にしなければいかん…。

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