三井住友・DC全海外株式インデックスファンドの「概ね連動する」の意味を直接聞いてみました

三井住友アセットマネジメントの超低コストインデックスファンド、「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド」の目論見書を読んでいて、気になって気になって仕方がないことがあったので、思い切って直接三井住友アセットマネジメントに電話で聞いてみました。

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三井住友・DC全海外株式インデックスファンドとは

三井住友・DC全海外株式インデックスファンドは、年0.27%(税抜き0.25%)の信託報酬で「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円ベース)」への連動を目指すインデックスファンドです。

私はリスク資産は株式クラスのみ。その株式クラス内の配分はおおむね世界の時価総額比率で持つことにしているため、このファンドと国内株式のファンドだけでリスク資産のポートフォリオが完成するのでとても注目しています。

以下の記事で検討し、どうしようかを悩んでおります。

既に多くのインデックス投資ブログで取り上げられているとおり、三井住友アセットマネジメントの確定拠出年金(DC)向けの4つのファンドが、楽天証...

気になって仕方がなかったこと

気になって仕方がなかったのは、三井住友・DC全海外株式インデックスファンドおよび、そのマザーファンドのベンチマークに関する言い回しです。

三井住友・DC全海外株式インデックスファンドの交付目論見書のなかで、このファンド、先進国株式のマザーファンド、新興国株式のマザーファンドのベンチマークに関する記載があるのですが、どれも微妙に言い回しが違うのです。

三井住友・DC全海外株式インデックスファンドのファンドの目的には

外国株式インデックス・マザーファンドおよびエマージング株式インデックス・マザーファンド(以下「マザーファンド」といいます。)への投資を通じて、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円ベース)に概ね連動する投資成果を目指して運用を行います。

三井住友・DC全海外株式インデックスファンドの交付目論見書より

とあります。

三井住友・DC全海外株式インデックスファンドは、新興国株式の「外国株式インデックス・マザーファンド」と新興国株式のマザーファンド「エマージング株式インデックス・マザーファンド」を介して投資を行います。

先進国株式クラスのマザーファンド、外国株式インデックス・マザーファンドの目的には

主として日本を除く世界各国の株式に投資し、MSCI-KOKUSAIインデックス(円ベース)と連動する投資成果を目指して運用を行います。

三井住友・DC全海外株式インデックスファンドの交付目論見書より

とありました。

新興国株式クラスのマザーファンド、エマージング株式インデックス・マザーファンドの目的には

主として新興国の株式指数を対象とした先物取引、新興国の株式等を主要投資対象とする上場投資信託証券および新興国の株式(預託証書(DR)、株式の値動きに連動する有価証券を含みます。)に投資し、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円ベース)の中長期的な動きに概ね連動する投資成果を目指して運用を行います。

三井住友・DC全海外株式インデックスファンドの交付目論見書より

とあります。

そう、一つの文章の中で、それぞれのベンチマークへの連動の仕方について

  • 概ね連動する投資成果
  • 連動する投資成果
  • 中長期的な動きに概ね連動する投資成果

と微妙に表現を変えているのです。

これは、何か意図をもって変えているに違いない。でもその説明が見当たらない。気になる…(気になりませんか?)。

本気で投資を検討しているからこそ気になって仕方ない、気になったことは納得してから判断したいわけです。そこで、勇気を振り絞って直接電話で聞いてみました。

マニアックな質問ゆえ一日時間をおいて回答をいただけた!

電話をして、気になっていることをお伝えしたうえで、どういう意図で言い回しを変えているのかを教えてほしいと質問してみました。

かなりマニアックな質問だったようで、即答は難しく担当者に確認したうえで回答したいとのことで、翌日改めて電話をして回答をいただけました。

回答の要旨は以下の通りでした。

  • 新興国株式は、市場の状況や流動性の問題などがあり、先進国株式とちがってきっちりと連動することが難しいことが考えられる。そのため「中長期的な動きに概ね連動」としている。
  • 先進国株式については、そのような問題はないので、きっちりと連動することを目指して「連動」としている。
  • 当ファンドは、新興国株式と先進国株式のマザーファンドを介しているので、新興国株式の事情に引きずられて「概ね連動」としている。

なるほど。やはり、想定する「連動具合」に応じて言い回しを変えていた、ということでした。

「このようなご質問ははじめてです」とのこと。そりゃそうだよね。

この結果をどうとらえるかは人それぞれか…

この三井住友アセットマネジメントの考え方をどうとらえるか…。

難しいところですが、結局のところ個人個人で考えるしかなさそうです。

流動性などの問題でそもそも連動が難しいことがわかっているのだから、あらかじめ「中長期的に概ね連動」や「概ね連動」と宣言しているのは良心的だというとらえ方が一つ。

他方「はじめから低い目標をうたい予防線を張っているのでは」と疑ってかかるとらえ方が一つ。

私は、現時点では確かに流動性など課題があるので難しいかもしれないけど、目指すべきところはきっちり連動すること、としてほしいので、目標では「連動」としてくれるほうが好感を持てます。

「概ね連動」とすることによって、実際の運用の目標を下げるようなことはないと信じていますが、しっかり見ていかなければいけないなと改めて感じました。

ちなみに、同じく「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円ベース)」をベンチマークにしている「eMAXIS全世界株式インデックス」では

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円ベース)と連動する投資成果を目指して運用を行います。

eMAXIS全世界株式インデックスの交付目論見書より

となっています。

他のファンドでの「概ね連動」や「中長期的な動きに概ね連動」というのは見たことがないし、「目指して運用」なんだから、やっぱり志・目標は高く持って欲しいなぁ。

「たわらノーロード先進国株式+新興国株式クラスファンド+国内株式クラスファンド」にするか「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド+国内株式ファンド」にするか、もう少し悩むことになりそうです。

たわらノーロード先進国株式については、以下の記事で検討・ライバルファンドとの比較を行っています。

DIAMアセットマネジメントより、低コストのインデックスファンド「たわらノーロード」シリーズの新ファンド5本の設定のお知らせが届きました。ビ...
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