三井住友アセットマネジメントの「超」低コスト全世界株式インデックス投資信託が一般向けに解禁!さてどうするか…

既に多くのインデックス投資ブログで取り上げられているとおり、三井住友アセットマネジメントの確定拠出年金(DC)向けの4つのファンドが、楽天証券で購入できるようになるそうです。

楽天証券株式会社・三井住友アセットマネジメント株式会社連名の2015年9月14日付プレスリリース

その4ファンドは以下の通り。

この中でも、三井住友・DC全海外株式インデックスファンドが一番注目を集めているようです。

私も、株式クラス内の配分はおおむね世界の時価総額比率で持つことにしているため、年0.27%(税抜き0.25%)の信託報酬で「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円ベース)」への連動を目指す本ファンドがとても気になっています。
確実なマイナスリターンであるコストを低減、リバランスによる早期課税ロスを避け、管理の手間も減らすことができますから。

そこで、本記事では、この大ニュースを受けて、「さて、自分はどうするか」についての現時点の考えを整理しておきます。

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第一印象

最初にこのビッグニュースを目にしたのは通勤中の電車内でした。「これは!」と思い少々興奮しつつ、狭いスマホの画面でファンドのホームページ、運用報告書を読んでいました。

そこでの第一印象は「ん?ベンチマークからの下方乖離率が大きめ?」というものでした。

2014年12月期の運用報告書では、1年間で1.5%の下方乖離とあり、その要因として「ベンチマークである現物株のリターンと先物運用によるリターンの差異」「信託報酬等のファンド運用にかかる経費」とありました。

なお、目論見書上は、本ファンドのベンチマークが配当込みなのか、配当なしなのかの記載は見当たりませんでした。しかし、運用報告書には、2つのマザーファンド「外国株式インデックス・マザーファンド」、「エマージング株式インデックス・マザーファンド」とも、「配当込み、円ベース」と記載されていました。つまり、本ファンドもベンチマークは配当込み指数ということになるでしょう。それならそうと目論見書に書いておいたほうがいい気がするのですが、なにかそうできない特別な事情でもあるのでしょうか…。

このベンチマークからの下方乖離については、当然ほかの方も気になっておられ、すぐに詳細な分析がなされています。

三井住友・DC全海外株式インデックスファンドに投資する前に知るべき注意点 – ほったらかし投資のまにまに

現在のところほぼ100%先物運用となっている新興国株式の乖離率が効いているようです。

ベンチマークである現物株のリターンと先物運用によるリターンの差異

交付運用報告書より

資産規模を考慮して、株価指数先物取引を利用してMSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、 円ベース)への中長期的な連動を目指しています(2015年6月現在)。

交付目論見書 エマージング株式インデックス・マザーファンドの運用手法について より 太字強調は森村ヒロによる

という記載からも、ファンド側も、新興国株式の運用に課題があることを認識していることがうかがえます。

これはまさに「にわとりとたまご」の関係

「資産規模を考慮して」とあったので、それぞれのマザーファンドの純資産残高を見てみました。

先進国株式の「外国株式インデックス・マザーファンド」は2117億円なのに対し、新興国株式の「エマージング株式インデックス・マザーファンド」は1.6億円。いずれも2014年12月期の運用報告書(全体版)からの数字です。

新興国株式は資産総額がまだ少ないから先物運用となっている(資産総額の多い先進国株式は現物運用)→先物と現物の差によるリターンの差が乖離の要因という構図。

別の会社ですが、以前、先物運用を中心としているファンドについて問い合わせた際、「先物固有の需給による値動きがインデックスとの乖離要因」となり「他ファンドとの傾向の違い」につながるという見解をいただきました。

資産が集まればいずれ解消されるはず、でも、この件が懸念されれば投資家からは資産が集まりにくくなるという、ブートストラップ問題、にわとりとたまごの関係にあることが見えてきます。

  • 投資家は最初は一定の覚悟をしてファンドの資産の積み上げに貢献する。
  • ファンド側は、今後の計画や見通しを示す。

というように、双方が歩み寄って、状況を打開し、WIN-WINの関係につなげられればよいのですが、やはり最初の一歩がむずかしい。

運用手法を先物から現物に切り替える時期や資産総額の目安や、今後の販売チャネル拡大の計画などが見えてくると、投資家側は踏み切りやすいと思うのですが…。
とよぴ~さん、ゆうきさんが既に問い合わせられていますが、回答は得られていないようです。

どうするか?

資産総額が伸びてくればいずれ解決される問題ということはわかっているので、早めに乗り換えて応援したいのはやまやま。でも、自分の投資は慈善事業でもないので、改善されていくまでの見通しが持てるまでは決心しにくい。でも、にわとりたまごなので歩み寄らねば…と、複雑な葛藤状態です。

そこで、今後3か月ほど様子をみることとし、年末年始休みに2016年の投資方針とあわせて再度見直しをかけることとします。ザ・先送りの術ですね…トホホ。

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