2014年11月10日追記:その後の研究・検討の結果、投資方針書を更新しています。最新版については
投資方針書 2014年10月
をご参照ください。
今後の子供の教育費、会社勤めの先行き、老後などを考え、「本格的に資産形成にとりくまなければ!」と一念発起して、本格的な資産運用インデックス投資ブロガーのみなさまの記事を中心に勉強してきました。
ようやく、まずはこんな感じで資産形成のための投資を始めてみようかな、という投資方針がまとまりました。
決意表明、コミュニティへの恩返し・貢献の意味を込めて公開します。
なお、水瀬ケンイチさん、山崎元さんの考え方の影響を強く受けている自覚があります。もしお読みいただける場合には、その点留意していただけますと幸いです。
あたかも、バリュー平均法のエキスパート風の書きっぷりになっている部分が多々ありますが、5月くらいから投資について勉強し始めた初心者が、まずは、私はこうして始めてみようかな、という内容をまとめたものですのでご注意ください。
本記事に限らず、当ブログに記載されている内容に基づいて被った損害について一切の責任を負いかねます。投資判断は自己責任でお願いいたします。
投資方針書
2014年06月27日更新
2014年06月25日
森村ヒロ
目的
子供に十分な教育を与えられるよう、ほどほどに余裕のある老後生活を過せるよう、また、セミアーリーリタイア(健康で活力のある若いうちに、生活の手段としての労働から、心豊かに楽しい活動に重点を移す)を目指して、長期投資を通じて資産形成を行う。
運用目標
全金融資産の購買力維持 = インフレ率以上の運用リターンを最低ラインとする。
本来であれば、もうすこし定量的・具体的な目標を設定すべきところ。知見を積んでから再度見なおすこととする。
投資方針
資本主義経済の成長・発展信じ、世界の経済活動全体に長期投資をする。
具体的には、全世界の株式の低コストインデックスファンドに長期で積立投資する。
相場は短期・中期では波のように上ったり下ったりしながらも、長期的には成長する経済環境を前提とする。
- 安いときに買い、高いときに売る
- 相場の下落局面は絶好の仕込み場
- 最後まで残った者が勝つ→どんな厳しい状況でも投資は継続する
の方針のもと、相場の波を活用してパフォーマンス向上を狙う。
具体的には効果が科学的に証明されているバリュー平均法に基づき積立投資する。
あらかじめ各種判断の基準・ルールを決定しておき、ルールベースで投資判断を下すこととし、原則として感情的・主観的な判断に基づく売買は避けるようにする。
ギャンブル・ゼロサムゲームでは資産形成は不可能、個別ではなく全体に分散する、よくわからないものには近づかない、の原則に基づき、FX、株式個別銘柄、コモディティ、REIT、現物、デリバティブには手を出さない。
ただし、FX については、将来的に外貨建て資産の為替リスクヘッジの手段として利用する余地を残す。
よくよく勉強したうえで、安全・効果的に運用できる状態になったら、保有外貨資産と同額までを上限に、外貨売りポジションを持つ余地を残す。
その際も判断のルールをあらかじめ規定し、不安や欲といった感情に流されずに機械的に実行できるようにする。
信用取引には手を出さない。ただでさえ住宅ローン残高がある状態で投資をしており、すでにレバレッジがかかっているので。
突発的に多額の出費が必要になった場合には、躊躇せずに資産を取り崩す。
基本ポートフォリオと銘柄選定
- 生活防衛資金
- 確定拠出年金資産
- 無リスク資産
- リスク資産
に分割して管理する。
確定拠出年金資産は独立ポートフォリオとして扱う。
私の年金は、国民年金→厚生年金→確定給付企業年金→確定拠出年金(企業型・マッチング拠出制度なし)という構成で、確定拠出年金は拠出金額が極めて少ないので、統合ポートフォリオして管理するのは手間に見合わないため。
また、異なる運用方針での結果を見てみたい、という気持ちもある。
ポートフォリオ全体のリスクの調整は、無リスク資産と、リスク資産の比率でコントロールする。
無リスク資産:リスク資産の比率は 0:80〜50:50の間を維持するようにする。
MRFは正確には元本保証はないが、ほぼありえないリスクとして受容し、無リスク資産として扱うこととする。
銀行預金(普通預金、定期預金)は1口座当たり、ペイオフ上限の1000万円を超えないようにする。
生活防衛資金
万が一給与収入が途絶えても 1年半から2年のあいだは、大幅に生活レベルを落すことなく生活できるだけの金額(絶対額で規定しておく)以上を、円建て、元本保証、即換金可能な資産で確保する。
妻の保有資産(銀行預金)はすべて生活防衛資金扱いとする。
普通預金、2週間程度を上限とした超短期の定期預金、MRF。
確定拠出年金資産
アセットアロケーションはVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の国別構成比をフォローし、
- 国内株式 8%
- 先進国株式 80%
- 新興国株式 12%
とする。
商品はいずれも、用意されているインデックスファンドとする。
無リスク資産
元本保証の円建て資産。
商品は、普通預金、MRF、定期預金、個人向け国債とする。
2015年より個人向けの販売が解禁されるといわれている、個人向け物価連動国債の動向を注視する。
ここでは、日本国の財政破綻リスクは想定しない。
リスク資産
投資対象リスク資産(元本保証のない円建て、外貨建ての株式、債券)と、 バリュー平均法用の待機資金プールで構成する。
これらを合わせて投資対象資産と待機資金両者を合わせてリスク資産とする。
投資対象リスク資産と、待機資金プールの比率は特に定めない。バリュー平均法に基づき、投資対象資産の残高をバリューパスに追従させるために、常に両者の間で入れ替えが発生するためである。
リスク資産内のアセットアロケーションは、債券0%、株式100%とする。
債券クラスと株式クラスの相関係数が下ったことが確認できた時点で、無リスク資産とリスク資産の比率や、株式クラスと債券クラスの比率を調整して、債券クラス資産を組み入れることとする。
なお、外国債券は、
- 為替ヘッジを使わないことを前提とすると、外国債券は期待リターンの割にリスクが大き過ぎる(期待リターンは国内債券と大差ない)
- 現状株式クラスとの相関がプラス
- 外債に投資する現実の運用商品は、債券の期待リターンを考えると、手数料が「許せない」ものがほとんど
という山崎元さんの指摘がごもっともだと思うので、これらの状況、主にほかの資産との相関係数が変わるまでは組み入れない。
株式クラス内のアセットアロケーションは、
- 国内株式 30%
- 先進国株式 60%
- 新興国株式 10%
とする。
国内株式クラスは、
- メイン TOPIX連動型上場投資信託(1306)
- 小口用 日本株式インデックスe
とする。
先進国株式クラスは、
- メイン 上場インデックスファンド海外先進国株式(1680)
- 小口用 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
とする。
新興国株式クラスは、
- メイン 上場インデックスファンド海外新興国株式(1681)
- 小口用 eMAXIS 新興国株式インデックス
とする。
投資信託は、分配金再投資コースを選択する。
ETFの選択基準は、
- 原則国内ETFとする
- 海外ETFは、商品性がきわめてすぐれている、または、300万円分を買って3年保持した後売却した時の総コスト(実質運用コスト、往復の売買手数料・為替手数料の合計)が国内ETFより十分に安いときのみ組み入れを検討する。
- 乖離率が直近1年間で1%を超えていないもの
- 実質運用コストが安いもの
- 同一資産クラスで一番総資産額が多いもの
- JDR方式は分配金の2重課税問題などよくわからないことが多いので、他によほど強いメリットがない限りは避ける
- 分配金を出さずに内部で再投資を志向しているもの
とする。
投資信託の選択基準は
- ノーロード(売買手数料なし)
- 実質運用コストが安いもの
- 信託財産留保額が少ないもの
- 実質運用コストと信託財産留保額のトレードオフ判断は、購入後2年保持して売却した時の総コスト比較で行う
とする。
ETFは、基準価額と市場価格の乖離率、実質運用コストを、投資信託は実質運用コストを定期的に監視する。
金融機関の選定
2014年は
- 私の NISA 口座 楽天証券
- 妻の NISA 口座 楽天証券
- 私の特定口座 楽天証券
とする。あまり調査せずに、これまで使っていたからという理由で楽天証券にNISA口座を開設してしまったためやむなく。
2015年は、
- 私の NISA 口座 松井証券
- 妻の NISA 口座 松井証券
- 私のETF用特定口座 松井証券
- 私の投信用特定口座 楽天証券 or SBI 証券
とすることを検討する。
ETFを売買する口座は、国内株式の売買手数料が安い金融機関を選定する。
手数料の為に商品を決めるのは、基本的に順序が逆なので避ける(フリーETFを使うために商品を選ぶのは避ける)。
2014年6月現在、松井証券が最も条件が良い。
投資信託を売買する口座は、主要インデックスファンドをすべて扱っていて、キャッシュバック還元率を含めてお得な口座を選定する。
2014年6月現在、SBI証券が最も条件が良い。
個人向け国債は、購入時のキャッシュバック条件が最も良い金融機関で購入することを基本とする。
2014年6月現在、野村証券が最も条件が良い。
売買執行方針
確定拠出年金資産
- ドルコスト平均法による毎月定額積立投資。
- 年1度(毎年正月休み)に必要に応じてセル&バイでリバランス実行。
一般投資資産のリスク資産
バリュー平均法による積み立てることとし、各期の投資活動を
- 日々のキャッシュフローからの待機資金プールへの新規資金の積み立て
- バリューパスを基準にした、待機資金プールと投資対象資産との入れ替え
- 市場が過熱したは投資対象資産から待機資金へ退避
- 低迷時は待機資産を投資対象資産に変え買い増し
ととらえる。これを踏まえたうえで、各期の投資対象資産の購入額の上限を、待機資金プールの残高+当初の積み立て予定額+追加の新規資金、とする。
当初の積み立て予定額はバリューパス上の当期の積み立て予定額とする。
追加の新規資金は市場低迷時に、臨時で追加投入する資金で、無リスク資産を切り崩して充当する。
この追加の新規資金の上限は
無リスク資産:リスク資産の比率があらかじめ規定した範囲内
かつ
当初の積み立て予定額の2倍まで
とする。
2倍にしたのには実はあまり根拠はない。特にアイデアもなかったので、まずは
にある通りにしてみる。
この設定により、最悪のケースが毎期続くと、新規資金の投入が当初予定の3倍になる。
上限を設定することにより、新規資金の投入を時間分散させリスクの低減をはかる。
買付金額が上限になった結果、購入後にバリューパスとの乖離が残った場合は、このルールのもと、以降の期でのキャッチアップを目指す。
無リスク資産の比率が許容範囲加減になったら、弾切れとしてバリューパスへの追従をあきらめる。
弾切れ、もしくは、4期連続上限に達した場合は、最新の市場環境を踏まえてバリューパスを再設定する。
積み立て=バリューパスに追従するための売買は、毎四半期(3,6,9,12月)に実行する。月内のどこで実行してもよいが必ず指定月内に実行する。
国内ETFは成り行き売買はせず、指値で購入する。
バリューパスの設定パラメタは
- 1期=1四半期
- 期待リターンは、年率で国内株式=6%、先進国株式=6%、新興国株式=8%
- 積立額の成長率は当面年率 0%
- 積立可能な金額の8割ほどの金額を、資産クラスに配分して、資産クラスごとにバリューパスを設定。
- 平常相場では残りの2割は相場低迷時の追加投資用待機資金として流動性の高い無リスク資産に積み立てる。
とする。
ETFは金額指定で購入では購入できないので資産評価額をバリューパスちょうどにそろえることは困難である。購入、売却時の口数は
- 同一(必要な投資額が予定通り)、または、上方に乖離(必要な投資額が予定より少ない)
売買後の評価額がバリューパス以下のもっともバリューパスに近くなるよう売買する
高いときは少なく買う or 多く売るほうに倒す - 下方に乖離(必要な投資額が予定より多い)
売買後の評価額がバリューパス以上の最もバリューパスに近くなるよう買う
安いときは多く買うほうに倒す
のとおり、評価額バリューパスとの乖離の方向によって決定する。
キャッシュフローの変化などにより積立可能金額が変わった場合はバリューパスを再設定する。
投資に回せるまとまった臨時収入(50万円以上が目安)が入った場合はそれを4期=1年で時間分散して投資できるようバリューパスを再設定する。
取引内容応じて使用するアセットロケーションの優先度を変える。
- 購入に使用する口座の優先度購入:NISA口座→特定口座の順
- 含み損のある売却:特定口座→NISA口座の順
- 通算できる損失があるときの含み益のある売却:特定口座→NISA口座の順
- 通算できる損失がないときの含み益のある売却:売却対象資産のNISA口座の残り期間の長さで判断。残期間が少ないときはNISA口座から、長いときは特定口座から。
売買手数料を低減するための工夫を怠らないこと。
モニタリング
投資環境
- 月に一度を目安にETF の基準価額と市場価額の乖離率
- 半年に一度を目安に、ETF と投資信託の実質運用コスト(決算があったら)
- 年に一度を目安に各資産クラスのリターン、リスク、クラス間の相関係数
- 物価連動型個人向け国債
- インデックスブロガーのブログを中心に様々な状況
確定拠出年金資産
毎年正月休みにモニタリング&必要に応じてリバランス
一般投資資産
月に一度、原則最終営業日の終値・基準価額で、
- ポートフォリオの構成比
- ポートフォリオ全体の評価額とパフォーマンス
- 資産クラス毎の評価額とパフォーマンス
を確認し記録する。
運用が安定してきたら頻度を半年に一度程度に落としても良い。
リバランス
確定拠出年金資産
毎年正月休みに、必要に応じて実行する。
目標アロケーションプランから10%以上乖離していたらセル&バイでリバランス実行。
一般投資資産
モニタリング時に、リスク資産内における株式クラスの割合が4期=1年連続、目標から上に10%以上、または下に20%以上乖離した場合、4期=1年をかけてリバランスが完了できるよう積立金額の配分を調整してバリューパスを再設定する。
分配金の扱い
確定拠出年金資産
分配金自動再投資のためメンテナンスフリー。
一般投資資産
単一資産クラスからの分配金が1万円以上(再投資にまわせる金額)の場合は、同一資産クラスETFまたは投資信託でスポット再投資する。
分配金が再投資に満たない場合は、待機資金として流動性の高い無リスク資産に組み込む。
目標アセットアロケーションの変更
確定拠出年金資産
所有資産をセル&バイして構成比を新しい配分にする。
新しい配分で積み立てを設定する。
一般投資資産
所有資産をセル&バイして構成比を新しい配分にする。
新しい配分の積み立て金額でバリューパスを設定する。
投資方針の変更
ルール設定の前提や見込みが適切でなかった場合は、柔軟に投資方針を変更する。
ただし、そのときの感情的な判断を正当化するためだけのむやみな投資方針の変更は避ける。
市場環境、家庭のキャッシュフロー、住宅ローン金利に大幅な変化があった場合、ライフステージが変わったときには投資方針の再設定を行う。
投資方針の変更は書面で記録として残す。
変更履歴
2014/07/19
ブログ移転にともない、フォーマット・誤字修正、変更予定であることを追記
2014/06/27
リスク資産内の、待機資金プール、待機資金プールと投資対象リスク資産の関係、毎期の投資活動における資金の考え方、毎期の積み立て金額の上限のルールを変更
数点Editorialな修正
2014/06/26
初版発行