妻と一緒に資産形成のカテゴリでお伝えしている、妻にも資産形成について考えてもらおうの話が一歩前進しました。
最初の一冊として選んだ本
をようやく読了してくれました。最近、休みの日に父子で出かけることがあるのですが、その間に読んでくれていました。
この記事では、それによる変化と、今後の方針をご紹介します。
妻の資産形成に関する意識がすこしずつ変わってきた
この本を読んだことにより、
- 「お金」のことについて考え、自分なりの対策をしていかなければいけないことを理解→今の自分には学びが必要なこと
- (投資をするなら)分散投資の重要性
- (投資をするなら)低コストの商品を選ぶことの重要性
を認識できたようです。
また、自分自身の全財産のかなりの割合を、1銘柄の株式、しかも、勤務先の株式で持っていることの危険性も理解できたようです。
私と息子がお出かけから戻って一息ついた後に、
- どこでどういう商品をかってるの?やっぱり手数料無料のやつ?
- 毎月積み立てているのしているの?
- そういえば、年金はいくらくらいもらえるのかな?
- 証券口座に引き出した持株会は一度処分したほうがいいかな?
といった質問をうけました。これまでは全く気にもしなかったことなので、これだけでもずいぶんな進歩です。
何よりうれしいのは
- お金について考えるのは特別なことではなく、だれもが老後に備えなくてはいけない。
- 自分には、重要な知識・知恵が抜けていることがわかった。勉強していかなければいけない。
という意識を持ってくれたことです。
うれしいからと言って、最初から細かいことをたたみかけてしまうと、「やっぱり難しい」「私には無理だ」と、せっかく持ってくれたやる気をそいでしまうことになりかねません。その場では以下のように簡単に答えておきました。
- よくよく勉強した結果、「インデックスファンドをつかいコツコツ投資していくこと=インデックス投資」が向いているし、もっともベターな方法だと考えるようになった。
- インデックス投資についてよくよく勉強して、XXX万円の「生活防衛資金」を確保したうえで、自分なりの「アセットアロケーション」を組んで、毎月少しずつだけど積み立てをしている。
- インデックス投資も万全ではなく、当然上がったり下がったりする。そのことを受け止めたうえで、それでもなお全体的には伸びていくだろうと考え投資している。
- 上がったり下がったりの波を受け止め続けることが重要。
- そのためには「自分にとって心地のよい」状態を保って「上がってもうれしい、下がってもうれしい」の心持ちでいることが重要と考えている。
- 確定拠出年金も重要なツール。使えるなら活用したほうがよい。
- このようにしっかり使えばお得な制度もあるから勉強しないといけない。
- 年金は「ねんきんネット」を使えば見込み受給額が計算できる。企業年金も調べれば必ずわかるようになっている。
ここまで箇条書きしてみると、これでも十分詳細ですね…。
もちろん、自分がインデックス投資ブログをやっていることは秘密です…。いまのところ→妻がいろんなブログを読んでくれてその結果「この森村って人、もしかしてあなた?」と判明して、なしくずし的にカミングアウトできるのが理想です。
まずは持株会株式を売却
分散投資の重要性=集中投資の危険性はよく理解できたので、まず持株会株式は売却しようという話になりました。
彼女は、当然、これまで株式売買の経験はありませんし、株式売買ができなくてもインデックス投資にはほとんど支障がありません。これ一回だけだろうということで、私のほうで代行しました。
話をした翌日の株式市場にて、寄り付き成行で売却しました。値動きがずいぶん荒くなっていたのですが、結果的にそんなに悪くない価格で売却できた&その後結構な勢いで下げたようなので、結果オーライ、ひとまず安心です。
- 個別株式はこんな感じで値動きが激しいからね。
- 個々の企業の事情で売られたり買われたりする。たとえば小田急。箱根の火山の影響でずいぶんさげてる。
- インデックスももちろん上がったり下がったりするけど、数百から1000を超える銘柄に分散してるから、個別の影響はだいぶ薄まる。
と、学びのきっかけを与える小ネタを入れることも忘れませんでした。
なぜか、この取引の明細が郵送で届いたので不思議に思ったのですが、すぐに一点大きな失敗をしてしまっていたことに気が付きました。
持株会からの振り出し先は大手証券会社の口座(ネット証券ではない)で、2つの取引コースがあることを見落としていました。事前に手数料を確認したとき、「ネット取引=3240円」というところだけみて「これならまぁ、ネット証券に移管するまでもないか」と軽く判断してしまいました。
ところが口座の状態が、「支店担当者からのアドバイスや投資情報の提供を受けながらお取引できるコース=総合コース」のままだったようで、私の感覚からすると法外ともいえる3万円ほどの手数料をとられてしまいました。大失敗…。なれない証券会社や口座を使うときは慎重にいろいろ確認しなければいけません。
この手数料だけでなく(これは私のミスだったのですが)支払った税金の額も妻とっては驚きだったようです。利益の一部を納める義務があることは認識していたようですが、初めての体験でその金額にたいそう驚いていました。
この届いた明細をもとに
- 売買の手数料ほどくだらないものはないこと(「支店担当者からのアドバイスや投資情報の提供」を受けたからと言ってリターンが上がるわけはない)。売買の手数料がかからないものを選ぶのはほんと大事。
- 税金も大きいこと。売買しなければ納税は先に繰り延べられること。
- 頻繁に売買するとボディーブローのように削られること。
- 確定拠出年金はこの税金が不要であることと、自分が拠出する場合はその分所得控除されるのでさらに有利なこと。
などの小ネタについて話をすることができました。総合コースでなければ、この明細が郵送で届かなかったわけで、怪我の功名、不幸中の幸い、だったのかもしれません(と、自分を慰める…。とはいえ授業料としては高すぎる。ほんと悔しい。くっそー。みなさんはお気を付けください)
今後の進め方
持ち株の売却を済ませたことで、彼女のリスク資産ポジションはほとんどなくなりました。払い出しできなかった端数分の持株会株式だけです(月々の積み立ては現状維持で当面続けることになりそうですが、月々5000円なのでまぁ問題なし)。この状態で資産形成について学んでもらいたいともいます。
私としては
でご紹介したステップで学びを深めていくのがいいと考えています。ただ、「導入(リテラシ)」を完ぺきにしてから「理論と実践」に進むといったウォーターフォール的なやり方よりは、この二つをグルグル行ったり来たりしながら、徐々に理解を深めていくほうが妻にとってはあっているような気がしています。
そこで、次の学びのアドバイスとして
インデックス投資の具体的方法 8ステップ – 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
を読み進めることを提案しました。
なぜインデックス投資なのかからはじまり、インデックス投資のはじめ方、続け方がコンパクトにまとまっています。時間が取れない&学びに対する意識がまだ最高潮に達しているわけではない妻に読んでもらうにはこれ以上のものはないような気がしています。
また、私自身、水瀬さんのブログで勉強させていただいていて、投資方針にも強い影響を受けていることもあり、「生活防衛資金の重要性」、「国内債券がアセットアロケーションのキモ」など、用語や概念がそろって今後会話がしやすくなることも期待しています。
次の目標は、妻が、自分自身で考え、納得して自分の投資方針とアセットアロケーションを決められるようになること。そのためには、リスク資産のリスク、標準偏差の考え方、正規分布を前提とした時の±2σ、±3σが包含する確率などを理解する必要があるので、なかなか高いハードルです。
その結果、リスク資産への投資が0%ということであっても、良く学んで考えた結果であれば尊重したいと考えています。最終的なゴールは、「しっかりと知識を持ったうえで、合理的に、自分の老後や、資産形成について考えられるようになってもらうこと」であって「リスク資産に投資してもらうこと」ではありませんから。
また、こうしてお金について向き合い学ぶことによって、医療保険の見直し、確定拠出年金制度の活用にも意識が向くようになってくれるといいなと考えています。
なにはともあれ、直近はインデックス投資の具体的方法 8ステップ – 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)を通して読んでもらうこと。そのうえで、私がどうしているかについて話をできるようにしたいと思います。
ブログのことを打ち明けるかどうかも考えておかねばなりません→前述の通り、勉強が進んだけっか自然とカミングアウトにつながるのが理想なんですけどね…