「こころの定年」を乗り切り、人生の後半戦にそなえるためになにをすべきか。楠木新さんのセミナーを受講し考える。

楠木新(くすのきあらた)さんのセミナー「会社を辞めずに独立する方法-横浜サカエ塾・水無月オフィスバトン主催)」を受講してきました。

会社を辞めたいとか、独立したい(もしくはもう一つの本業を持ちたい)といった願望があるわけではなく、そんな才覚に恵まれているわけでもない私のような普通のおっさんにとっても、これからの日々の過ごし方、気持ちの持ちようが変わる大変気づきの多いセミナーでした。

楠木さんご本人から「ブログなどで内容を紹介しても構わない」というお話がありましたので、印象に残ったこと、うかがった話を自分はどう生かしていくつもりなのかについてメモしておきます。

(投資とは直接関係のない話です。興味のある方のみお読みください)

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セミナーに参加した動機

まずはじめに、なぜ私がこのセミナーに参加しようと思ったのかについて簡単にご紹介いたします。

本サイト管理人プロフィール 名前 森村ヒロ(もりむら ひろ) ハンドル名です。 ハンドル名の由来は、「きかんしゃトーマス」に登場...
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 2015年の抱負です。このうちの一つでも多くを成し遂げられるよ...

などの記事でご紹介しているように、現在の会社に入ってから、相当期間、ソフトウェアエンジニアとしてそれなりにイキイキと働いていました。ソフトウェアエンジニアといっても、いろいろ系統がありますが、私の場合は、技術職人・テクニカルリード系を突き進むタイプでした。

当該製品の市場環境が成熟しつつあったことなども影響し、その分野では一通りやりきったという満足感を感じつつある&そのままのスタイルではずっとはやっていけないこと=先が見えてきたこと、尊敬する上司からも「そろそろ別の分野に移ったほうがよい」という助言をもらったことなどを総合的に判断して、4年ほど前に社内公募制度で社内転職しました。

新しい職場・仕事内容では、いろいろな事情が複雑に絡み合って、残念ながら自分の思い描くような仕事ぶり・成果が出せず、なんとなく埋没してしまっているという思いにとらわれ、今後どうしていけばいいのかについて漠然と考えるようになっていました。

そのときに、何かの拍子で、実際の定年よりも前におとずれる「こころの定年」という言葉や、「こころの定年」の3つの要素

  • 成長している実感がない
  • 誰の役に立っているのかわからない
  • このまま時間が経過するだけでいいのだろうか

について知りました。そして、「あぁ、もしかしたら、今、自分は、こころの定年というやつを迎えているのかも」とがっかりしたのも事実ですが、「でも、自分だけが特別ではないんだ。みんな悩むことなんだ」と思えるようになりだいぶ気持ちが楽になったとともに、向き合っていかなければと考えるようになりました。

その結果、さまざまな具体的な行動につながり、功を奏して今は停滞期を脱しつつあります(うまくいっていることばかりではないですが)。再度社内転職をして、(以前とは違う心境で)再び仕事に打ち込めるようになったことや、このブログも効果の一部です。

そのとき以来、頭に「こころの定年」、「楠木新」という言葉がしっかりと焼き付いています。そんなときに、お世話になっているオフィスバトンさんが、楠木新さんのセミナーを開催されることを知り、今後の暮らし方の参考・気づきを得るべく、すぐに申し込みました。

印象に残った言葉

セミナーのうち、特に印象に残った点を箇条書きで紹介します。急いでとったメモをベースにしているので、内容や文言が楠木新さんの発言とズレている部分があるかもしれない点、ご容赦いただければと(生徒・学生時代を通してノートをとるという習慣をつけられないまま、大人になってしまった人なのでので苦手で苦手で。大変困ってます…)。

  • 会社を辞めて3か月、あえてプータローをしている。すると会社の良さも見えてくる。
    • 出張がなくなる→気分転換がしにくい
    • 曜日感覚がなくなる
    • 毎日、同じ時間に同じ場所にみんなが集まってきて、同じ目標を目指してみんなで共同作業する、これは会社じゃないとなかなかできない。
    • 会社員同士の議論はとても深まる。自分のこと・立場を棚上げして議論できる→様々な視点で見ることができるから深まる。フリーランスどうしだとなかなかこうはいかない。
  • サラリーマンの人生構造を前半戦と後半戦に分けて考える
    • 前半は顧客、仲間などみんなと一緒にがんばろうというフェーズ。みんなで一緒に進める。
    • 後半は、老い、死を取り入れながら働かなければいけない。能力は上がっていくが、体力、生物としての力は下がらざるを得ないという複雑さ。「いつかは死ぬこと」が顔を出したときに、前半戦のように、みんなで手をつないで、というわけにはいかない。
    • これらの矛盾が出てくるのが個人差はあるが、早い人だと40歳くらいから→これが「こころの定年」
    • このきっかけは個人差はあるが、楠木新さんの経験や、転身者の事例などを踏まえると挫折的なことがきっかけになることが多い(健康、リストラ、…)
  • この人生の後半戦は人それぞれなので、自分で考えなければいけないが、このための技術や通過儀礼は存在する。楠木新さんの事例や、今回のセミナーでの内容を事例研究として各人で考えるべきこと。
  • こころの定年を乗り越えるための技術的なポイントは以下の4つ
    • 自分の原体験・原風景・小さいときに経験した匂いや感覚が大事。この時代のことを探ってみる。自分が何が好きだったのか。
    • 前半戦の過ごし方。前半戦は、後半戦での選択肢を増やすためにガンガン働いたほうがよい。
    • 異質な人(たとえば、芸人やギャンブラー、個人事業主)と出会う。それによりサラリーマンというものがよくわかる。
    • 手に届く範囲にいる、いいなーと思う人、あこがれる人、うらやましいひと、かっこいいひと、ええなーと思う人複数に話を聞く。スティーブジョブスみたいな人ではなく手に届く範囲、かつ複数というところがポイント。
      • いいなと思う人の事例をパクるのではなく、自分との比較の往復運動を繰り返す。
      • 様々な事例のみちすじ・プロセスを重ね合わせる。
      • それにより、「この人と自分は何が違うのか」がみえてくる。
      • 知っているみちすじが多いほどそれがよくわかるようになる。
      • 転身者の事例がモデルになるわけではない。
  • 楠木新さんのフリーランスの活動では、「誤差」「ギャップ」を活用してる→視点を変え多面的に見ることが重要というメッセージと理解した
    • 「(幼少時代にいた)変なおっちゃん」と「サラリーマン」の誤差
    • 「会社員」と「フリーランス」の誤差
    • 「支社長・担当部長」と「平社員」の誤差
  • 会社員は社会的要請と直接接しているわけではない。直接対峙しているのは「会社(組織)」「芸人などの個人事業主」
    • 「会社(組織)」と「芸人」の間の目盛をねらってもいいのでは。二つの間で心地の良いところを見つければよい。
    • 「芸人」といっても、いわゆる一発屋は、たまたま、そのときに一度だけ社会的要請に当たっただけ。本当の芸人、個人事業主は社会的要請の変化に適応し続ける。これは本当にすごいこと(お笑い界の大御所など)。
  • 3年ひと区切り。やりながらだんだん。いっぺんにはできない。(大学は学部4年+修士2年の6年とすると3区切りになるなーと思って聞いてました)
  • 前半戦を引き延ばすと後半戦がうまくいかない
  • 「働かないおじさん」は正確には「働きたいという意欲はあるけどイキイキと働けないおじさん」
  •  複数の視点から、物事を多面的に見ることの重要性。
    • 視点が1つから2つになっただけで、こんなに景色が違うのかと驚く。
    • 会社の裏表・いいことわるいことなど、2面的にみることができる。会社はすごくいいところ。会社の共同体としての位置づけが見える。

楠木新さん自身、定年退職されてから3か月が経過したところということもあり、さらにひとつ視点が増えて深みが増したセミナーでした。

ここまで書いて、読み返して気づいたのですが、ポイントだけなので、これだけ見ても「なんのこっちゃ」ですね…

これ以外にも、

というところに驚きました。

自分はどういかすか

私自身、もうすぐ40歳。前述のとおり、一時期は、こころの定年期か?と悩んでいましたが、今のところは盛り返して、前半戦の最終期なのかな?という認識で、仕事にイキイキと取り組めています。

イキイキとはいえ、若かったころとは明らかに違うところがあることもなんとなく感じています。今回の楠木新さんの話を聞いて、この違いがどこから来ていて、どう考えるべきかが少し見えてきた気がしています。

一つのセミナーや啓発本を読んで、あれもこれもやろうと欲張ると結局何もできないので、「今は前半戦の最終期で後半戦に備え、バリバリやるべきときである」を意識して、以下の3点に取り組もうと思います。

このような貴重な機会を与えてくださった、楠木新さん、オフィスバトンさんに感謝です。

セミナーでは、質疑応答の時間などを増やすために、アンケートを取っておりません。

「横浜サカエ塾」はこれからも、小規模・低価格・強力講師陣にこだわってまいります。

というお言葉通り、受講者の立場に立った運営、素晴らしいセミナー揃いです(今回で2回目ですが、いずれも大満足です)。

オフィスバトンさん主催の横浜サカエ塾「ますますブログに書けないインデックス投資」のセミナーに参加してまいりました。

参考

楠木新さんのブログや著作のリンクをご紹介いたします。

ブログ:「こころの定年/評論家」 楠木新のひとりごと

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