「全面改訂 ほったらかし投資術」を読了し、自分の1年の成長を実感するとともに、奥深さを思い知る

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梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)の水瀬ケンイチさんと、経済評論家の山崎元さんの共著全面改訂 ほったらかし投資術を読了いたしましたので、僭越ながら感想などを記事にいたします。

ほったらかし投資術は、私が1年前に最初に手に取ったインデックス投資の手引きの一つ

私、森村ヒロが本格的にインデックス投資について勉強し、実践しはじめたのがちょうど1年ほど前の2014年5月のことでした。

2006年頃、ちまたの流行に乗ってバリュー投資とやらをみようみまねでやってみて、一瞬で大きな含み益を抱えつつ、仕事が忙しくなり2014年までほったらかしにしていたところ、仕事も変わり、子供も生まれ、将来への備えの重要さに気づいたのがきっかけです。その時に手に取った書籍の一冊が、前版のほったらかし投資術でした。

梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)をはじめとするインデックス投資ブログと合わせて読み込みこんだものです。

それから約1年がたち、弱小ではあるもののインデックス投資ブログをはじめ、インデックス投資を勉強・実践し、セミナーやSNS上で直接水瀬さんからアドバイスをいただくことができたなど、大変な変化がありました。そんなおり、本書の全面改訂版が発刊されたので早速拝読たしました。

まさに全面改訂!そして構成も大きく変わった

「全面改訂」に偽りなく、全編にわたり必要な更新がかけられている印象をうけました。よくある「最新状況について書いた章を追記」しただけで改訂をうたっているものとは違い、市場環境の変化や、日ごろの一般投資家との対話の経験を踏まえた新しい知見などが盛り込まれています。まさに、全面改訂といっていい内容。ただし、内容の幹の部分はブレず、変節せずに一貫しています。この点、大変安心して読めます。

また、前書とは全体の構成が大きく変わっているのも特徴です。前版では、理論編を山崎元さん、実践編を水瀬ケンイチさんが担当と1冊の本での分業が明確になっていたのですが、全面改訂版では、その垣根がなくなっています。

地の文として、両氏が分担されて執筆された文章があるのが基本で、それぞれの方が加えて主張したいところは「山崎は」「水瀬は」と断ったうえでさらに掘り下げて論を展開しているスタイルです。共著である一つの台本が流れているなかで、さりげなく必要に応じて各人が補足をしていくメイキングビデオ的な要素が付加されている感じといえばわかりやすいでしょうか。

賛否両論あるかと思いますが、私としては、全体の流れに統一感がありすっきりしていること、どのあたりが意見が分かれるところなのか、それぞれについて、各氏がどういう見解を持っているのかなどが掘り下げてわかる、温度感が感じられるといった点で、良かったかなと思います。

また、地の文についても、両者のコアなファンである私にとっては、どちらの文章なのか結構想像がついてしまうあたりも楽しめました。

私にとってのハイライトはここ!

著者の両名に敬意を表し?、ビール片手、ハイボール片手だったもので、せっかく、書籍版を購入したにもかかわらずメモや付箋を使いながらは読めなかったのですが、「なるほど」や「これは痛快」と思った部分のキーワードと、自分の感想をメモしておきます。気になった方は是非本書を手にしてみてください!

QOLの大切さ

「面白み」はお金の運用に求めるよりも運用以外の人生そのものに求めるほうが有意義

(インデックス投資は)生活に支障をきたさないですむ投資法

一方でしっかり資産運用も継続できている

これは私自身もインデックス投資を実践して実感している点です。人生修行の一環としてインデックス投資ブログを書いていることを除けば、投資について使っている時間は月に2時間もないと思います。

それでいて、トレードやアクティブ運用をされている方も含めて真ん中くらいのリターン=資本主義経済の成長から信託報酬を控除したくらいの成果が享受できます。そして投資で節約した時間・労力を、仕事でも、趣味でも、休息でも、自分の好きなことに費やすことができます。

マーケットが下がった時はそのまま一緒にマイナスになる点には注意が必要です。それも含めて受け入れる・受け入れられるポジションをとることが重要なんだなと思っています。

なぜ今は無リスク資産とリスク資産(内外株式)なのか

無リスク資産を現預金・個人向け債券で確保し、リスクをとってもいいという分だけ国内外の株式で運用するのか、といった部分の説明が、これまでの書籍より踏み込んでなされています。また、この考え方が通用しなくなる目安についても記載がありました。自分の考えを整理するうえで大変有意義でした。

リスク資産の内訳は、国内株式:外国株式=5:5

これについては、山崎元さんの意向が強いのかなという印象をうけました。山崎元さんのこれまでの論説を見る範囲では、意外と為替リスクには慎重なほうかな?という印象を受けています。

長期に投資を続けていくうえでは、無リスク資産の比率のほうがカギになるはずでこのリスク資産内の内訳については5:5にそう強くこだわる必要はないだろうと思います(新興国100%とか極端に偏らない限り)。

私としては、無リスク資産・リスク資産全体での、為替比率などを気にして、リスク資産部分は外貨資産=外国株式を大目にしておくのが心地よいなという考えです。

アクティブ運用を売る運用会社のビジネスモデルに対する指摘

そのメタファーをここで直接引用するのはさしひかえますが、とても納得できる指摘で、さすが(山崎さん)…。

後ろの章で触れられているインデックス運用とアクティブ運用について考え方も大変参考になります。

家電製品の購入を資産運用のメタファーとすること

家電製品が好きで、かつ、仕事もそれに遠くないことをしていて、日々、様々な点で差別化の道を模索せざるを得ない状況であるからもしれませんが、家電製品の購入との対比は少々ピンとこない点がありました。

家電や車など、機能性商品に関しては評価軸が多数あること・複雑なことがある点で、金融商品と大きな差があるなーと。デザインや、ドアの閉まる時の音、ボタンのクリック感、持ったときの感触、よろこび・感動など計測しにくい・できない部分が重要とされてたりするので。

その点、経済合理性が最優先される金融商品は優劣の判断がしやすいので(一部のアクティブ商品を除き)、厳しい世界だなと思います。

一般投資家視点での実践上のコツ

一般投資家として実践してきたからこそ&ブログ・SNS上で相談を受けてきた経験から導かれるコツ・アドバイス。間違いなく、本書の一番のハイライトでしょう。

リバランス、売りを我慢するコツ、運用中の心構え、将来の売り方、インデックス派 v.s. アクティブ派「神学論争」でのふるまい方などなど。自ら実践されている水瀬さんならではのベストプラクティスがつまっています。

「「リタイアした直後に大暴落にあったらすべてが水の泡」ではない」については、なるほどと膝を打ちました。

バブルだとおもったら少しポジションを減らせばいいのではの規模感

山崎さんは「経済時計」としてバブルはある程度判断できるという立場を取られていて、多少ポジションを調整してもいいのでは?という発言をたまに見るのですが、その規模感のイメージがわかりました(いま、再度パラパラ本をめくっても該当ページが見当たらなかったのですが、確かに定量的な数字が書いてあった記憶が…)。

時価総額加重の指数が最高によくできた指数

スマートベータ指数について議論している流れでの、日興アセットマネジメント今井さんの発言に「時価総額加重の指数が最高によくできた指数と思ってしまうことが頻繁にある」というものがありました。なるほど、と思うとともに、その利点は主にこれからの新規投資の部分に主眼があり、既保有分のリスクの分散の観点ではベストではないのかも?という、新たな疑問も。

ベンチマークの配当込み、なしの明記

インデックスファンド・ETFのミナセシュランとして、商品の紹介と水瀬さんの寸評があるのですが、そこに「ベンチマークとして「配当を含む」と明記していて好感が持てる」とありました。ささやかかもしれないけど、どういうものがより望ましいのか(当然、配当有り・無しを明記してもらうこと)の価値観の指針を提供している点でとても良い。我々投資家も、こういう根本的な評価軸の部分でいいもの、悪いものを弁別できるようになりたいものです。

日興アセットマネジメント今井さんの、ベンチマークとトラッキングエラーに関する発言は、私自身が日興アセットマネジメントに問い合わせて回答をもらった内容と整合していない部分があったり、それって実際は「ベンチマークは配当込み」ということだよね?と突っ込みたくなったりと、「すっきりした」という水瀬さんとは違い、私自身は少々疑問が残ったままです。

対談をライターの方がまとめられたもののようなので、実際のところはどうかわからないのですが、競合他社とのベンチマーキングが徹底的になされているわけではなさそうだな、というのも気づきの一つです。

私の勤務している製造業の場合、競合他社やその製品と自社との比較=ベンチマーキングを徹底的に行い、自分が今どの位置にいるのかを把握し、強いところはより伸ばし、及ばないところは補うための作戦を練るものなのですけど。

インデックスファンド(投資信託・ETF含め)の運用の実態

ときに華々しく報道されるアクティブファンドのファンドマネージャーと違い、常に裏方的扱いしか受けてこないように見受けられる、インデックスファンドのファンドマネージャーの仕事などがわかりました。

前項では疑問がとしていますが、こうして投資家との対話を大切にしてくださる日興アセットマネジメントさんには敬意を表したいと思います。

まとめ

本書は、私にとっては、勉強・実践を始めてから1年たったという節目で(節目など合理的でないといわれそうですが)、自分の知識を再確認し、理解できているところ、あやふやなところを確認するのに大変役にたちました。自身の1年間にわたるインデックス投資家になるための勉強の成果を実感できたという点でとてもありがたかったです。

他方、これまで気づきもしなかったこと、知らなかったことなどにも遭遇し、奥深さを思い知った面もあります。もっとも、普通に資産形成を取り組むうえでは、そこまで極める必要がないこともまた事実なのですが…。知ってて損はないですけどね。

本書は、「インデックス投資がよさそうだけど、どうやっていいかわからない」という方に第一におすすめできる本です。本書や梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)のブログをとっかかりとして、気になる点を掘り下げて理解していくスタイルがいいのではないでしょうか。

私も、妻がインデックス投資の具体的方法 8ステップ – 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)を読んでくれたあと、本書を、そっと差し出してみようと思います(そのために電子書籍ではなく通常書籍版を購入しました)。

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要望としてあげるなら、次は、水瀬ケンイチさん単独の本を読んでみたいなーということですかね…。

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