三井住友アセットマネジメントの低コストDC専用バランスファンド4本が一般開放

三井住友アセットマネジメントのDC専用ファンドの一般開放の第二弾が発表されました。

楽天証券:【投資信託】DCバランスファンド マイパッケージシリーズ 4銘柄を新規取扱い

気になる4本はいずれもバランスファンドでした。

末尾の数字は、税抜きの信託報酬率です。

なお、第一弾の内容は

既に多くのインデックス投資ブログで取り上げられているとおり、三井住友アセットマネジメントの確定拠出年金(DC)向けの4つのファンドが、楽天証...

でご紹介しています。

株式比率の高い三井住友・DC年金バランス70(株式重点型) 略称:マイパッケージ70でも、税抜き信託報酬率が0.24%と抑えられている点は、バランスファンド派にはありがたいのではないでしょうか。

三井住友アセットマネジメントの第二弾の4本のバランスファンドの内容を詳細に見てみます。

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各バランスファンドのアセットアロケーション

各ファンドのアセットアロケーションは以下の通りです。

短期資産 国内債券 先進国債券 国内株式 先進国株式
マイパッケージZERO 5% 75% 20% 0% 0%
マイパッケージ30 5% 55% 10% 20% 10%
マイパッケージ50 5% 35% 10% 35% 15%
マイパッケージ70 5% 15% 10% 50% 20%

ZERO、30、50、70と株式が増えていくときの比率の変化の内容を把握するため、債券と株式の比率、債券内の比率、株式内の比率、通貨比率を見てみます。

債券:株式 短期資産:国内債券:先進国債券 国内株式:先進国株式 円貨:外貨
マイパッケージZERO 100:0 5:75:20 80:20
マイパッケージ30 70:30 7:79:14 67:33 80:20
マイパッケージ50 50:50 10:70:20 70:30 75:25
マイパッケージ70 30:70 17:50:33 71:29 70:30

バランスファンドの比率に関しては、完全に個人の考え・好みではありますが、気になった点がいくつかあります。

  • 全ファンドとも、短期資産(有担保コール翌日物)が5%含まれている
  • 各資産比率の変化については、一定の範囲(±3%)を設けて調整
  • 債券クラス内の先進国債券の比率が、下は14%から、上は33%と幅が大きい
  • 株式クラス内では国内株式がおよそ70%

これまで、バランスファンドでアセットアロケーション=目標比率に短期資産と明記しているのをはじめてみた気がします。もちろん、探せばあるのかもしれませんが、インデックス投資ブログ記事によく登場するファンドでは見かけません。

ざっと交付目論見書、請求目論見書に目を通してみましたが、その意図はわかりませんでした。投資家としては、リスクにさらしてもよいと考えている金額をリスク資産に回すのが大前提ですから、ファンドとしては常にフルインベストメントをキープしていただいたほうが都合がよいのですが。取引コスト低減など、運用上のねらいがあるのでしょうか。

また、基本の割合から±3.0%の範囲を設けて調整(リバランス)というのも意図がつかめません。基本の割合からの乖離が大きくなることは、指数への連動の観点では確実にマイナスになります。

配分については完全に個人の考え次第なので、自分の理想に近ければバランスファンドを活用すればいいし、アレンジしたい人は、バランスには向いてないということなので、はじめから複数ファンドを組み合わせたほうがよいはずです。

信託報酬率が最も低いバラの投資信託で、一番株式比率が高い三井住友・DC年金バランス70(株式重点型) 略称:マイパッケージ70(税抜き信託報酬率0.22%)と同じアセットアロケーションを実現する場合、およそ0.236%になります(短期資産の5%分は信託報酬率0%で計算)。

ちなみに、最安ファンドは、いずれもニッセイアセットマネジメントの<購入・換金手数料なし>シリーズです。すごい。

もう一つ三井住友AMのファンドで気になる点が…

今回新たに一般開放される4つのファンドの目論見書を読んでいて、やはり気になる点があります。それは、以下のベンチマークに関する文言。

運用にあたっては、委託会社が独自に作成した合成指数をベンチマークとし、中長期的にベンチマークに連動する投資成果を目指します。

三井住友・DC年金バランス70(株式重点型) 略称:マイパッケージ70および交付目論見書より(太字強調部分は森村ヒロによる)

中長期的にベンチマークに連動」という断り書きがあります。

ほかの三井住友アセットマネジメントのインデックスファンド・マザーファンドを見てみると、「中長期的に連動」、「概ね連動」、「連動」と表現が異なっているので何らかの意図や背景があるのかもしれません。

一番わかりやすいのが

既に多くのインデックス投資ブログで取り上げられているとおり、三井住友アセットマネジメントの確定拠出年金(DC)向けの4つのファンドが、楽天証...

でご紹介した三井住友・DC全海外株式インデックスファンドです。この交付目論見書では、「中長期的に概ね連動」、「概ね連動」、「連動」を使い分けています。

私は、三井住友・DC全海外株式インデックスファンドを主力ファンドにしようと検討中なので、この件については時間をとって、三井住友アセットマネジメントに確認してみるつもりです。

追記:三井住友アセットマネジメントに直接聞いてみました。

三井住友アセットマネジメントの超低コストインデックスファンド、「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド」の目論見書を読んでいて、気にな...

まとめ

三井住友アセットマネジメントのDC専用ファンド一般開放、第二弾はバランスファンドでした。

私は、いまのところ、バランスファンドよりはバラのファンドを組み合わせて使いこなしていきたい派なので、これらのバランスファンドに投資する予定はありませんが、今回のバランスファンドはコスト競争力がかなり高いのは事実。

アセットアロケーションが希望・好みに合っているようであれば、有力な候補になるのではないでしょうか(その場合、気になる点などは、投資する前にはっきりさせて納得してからにすべきです)。

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まだ、DIAMアセットマネジメントの「たわらノーロード」シリーズの商品発表が控えています。さらに、SMT, eMAXIS, インデックスeシリーズもこのまま黙っているとは思えません(と信じています)。

低コストは目的ではなく、手段の一つ(ものすごく強力)。

表面上の信託報酬率だけでなく、実質的なコストや、インデックスファンドのKPIである、ベンチマークとの連動についてもしっかり見て、トータルで、いいものはいい、悪いものは悪いと、判断し行動で示せるようになりたいと思っています。

既に多くのブログ等で取り上げられているとおり、ニッセイアセットマネジメント株式会社が「<購入・換金手数料なし>」シリーズの3ファンドの信託報...
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