バリュー平均法の実践は手間がかかりますが、3ヶ月に一度ひと手間かけるだけで、パフォーマンスの向上が期待できるのであれば、挑戦してみたいところです。とはいえ、楽できるに越したことはありません。手間軽減のため、バリュー平均法の道具箱を用意しました。
バリュー平均法に興味のある方は、是非試してみてください。
道具箱に入っている道具は
- アセットアロケーション分析
- 配分・積立額計算
- バリューパス設定
- 売買額計算=バリューパスに追従するために必要な売買のプランニング
- ETF実質運用コスト計算
- 総コスト計算
です。
不具合報告、改善提案、不具合直しちゃったんだけど、機能追加しちゃったんだけど、などなど、フィードバック大歓迎です。
以下それぞれの道具の詳細です。
基本
EXCEL形式のスプレッドシートです。
- 【テンプレ】のプリフィックスの付いているシートを、複製・リネームして使います。
- 【マスタ】のプリフィックスの付いているシートは、複数のシートで共有する情報を定義しています。
- 資産クラスを追加したい場合は【マスタ】資産名シートの「資産H」などを書き換えます。他のシートすべてに変更が反映されます。
- 背景がオレンジ色のセルは、ユーザによる入力が必要なセルです。
- 背景がグレーのセルは、入力に基づき自動的に計算されるセルです。
アセットアロケーション分析
- 各資産クラスの、期待リターン、リスク、コスト、相関係数、配分、を入力すると、ポートフォリオ全体の期待リターン、リスク、コストなどが計算されます。
- デフォルトで入っている相関係数は山崎元さん、水瀬ケンイチさんの著作ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド (朝日新書)
にあったデータです。
- ソルバー機能を使って入力された前提条件のもとで最適な配分を計算することができます。
- このシートは以下の山崎元さんの記事に従って作成しています。使い方、意味などはこちらをご参照ください。
山崎元「ホンネの投資教室」 第159回 60分で説明するアセットアロケーション
山崎元「ホンネの投資教室」 第167回 年金運用のアセットアロケーションを鑑賞する
山崎元「ホンネの投資教室」 第126回 リスクのデータを変えてみる
配分・積立額計算
- 無リスク資産:リスク資産の割合、各資産クラスの、無リスク資産、リスク資産への寄与率を入力することにより、各資産クラスのポートフォリオ全体に対する割合が計算できます。
- まずはじめに無リスク資産とリスク資産の割合を決め、次にリスク資産内での各リスク資産クラスの割合を決めると分かりやすかったので、これの方法で簡単に調整できるシートを用意しました。
- 結果の全体配分のリージョンをコピーして、アセットアロケーション分析のシートに、値だけペーストすると便利です。
- 同時に積み立て額の配分計算もできます。Xヶ月でY円を積み立てたい、という場合は、期間の月数にX、期間あたり積立金額にYを入力します。
- 結果を、バリューパス設定のシートに値だけペーストすると便利です。
バリューパス設定
- 積み立て開始月、1期間の月数、資産の期待リターン、積み立て金額の成長率、初回積み立て前の資産評価額、初回積み立て金額を入力すると、バリューパスが計算されます。
- 将来のある時期にXXXX円になるように逆算でバリューパスを決めたい場合は、少し面倒ですが、初回積み立て金額を振ってみて、結果をみながらちょうどよさそうな値を探すことにより実現できます。
- 積み立て金額の成長率は、インフレや将来のキャッシュフロー増大を織り込んで、期間ごとに積み立て金額を変化させたいときに設定するようです。年率で指定します。
- 現在の経済環境を前提にすると、当面の間は0%としておき、必要に応じて定期的にバリューパスを再設定する方法でよいのではないかなという印象です。
- 任意で、各期における、投入元本と、評価額を記録しても良いです。
- バリューパス再設定時は新しくシートを作成するとよいです。
- 各期間で、±2σ、±1σ、±0.675σのリスクが発生した場合に必要になる積み立て額を計算するようにしました。
売買額計算(バリューパスに追従するために必要な売買のプランニング)
- バリューパスについていくためにどの様な売買を行えばよいかを計算することができます。
- バリューパスの情報は、バリューパス設定のシートの当期のセルをコピーして、値だけペーストすると便利です。
- 各期の購入資金の上限を設定することができます。上限なしの場合は上限金額から、バリューパスからの乖離のセルを参照するとよいです。
- ETFのみで運用する場合、ETFをメインにして差額を投資信託で調整する場合、投資信託のみで運用する場合について結果が出力されます。
- 購入金額が負数になっている場合は、その絶対値だけ売却することを意味しています。
ETF実質運用コスト
国内ETFの実質コスト計算方法を使用するように、近日中に更新予定です。現在のままお使いいただいても、ほぼ同じ結果が得られるので問題ありません。
- ETFの総経費率を計算するためのシートです。
- モーニングスターにある情報に異常値があるようだったの(国内ETFの1680,1681,1550の実質コストが0.30%台など)で、試しに自分で計算してみようとしたときに作ってみました。
- 各ETFの決算短信から、営業費用や信託報酬率の情報を転記すると計算できます。
- 1年分のデータが必要です(信託報酬が年率なので)
- 直近の実質運用コスト率をアセットアロケーション分析のシートから参照しています。
総コスト計算
売買のシナリオを設定と、商品の属性を指定して、そのシナリオでかかる、概算の総コストを計算することができます。
- 【テンプレ】運用コストシナリオのシートで売買のシナリオを設定します。
- 【テンプレ】でポートフォリオの設定を計算し、レポートの形まで整形します。
- レポートが完了したら、別のシートで表の書式を調整し、PNG化します。
- 詳細は上記の2シート内のコメントをご参照ください。
ダウンロード
バリュー平均法実践のための道具箱(ver. 20140725_0 Excel file 173kb) on Dropbox
更新履歴
2014/07/25
旧ブログから加筆修正してコンテンツ移動
リスク(年率)からリスク(1期間あたり)への計算が適切でなかったので修正
2014/07/05
バリューパス計算に、積み立て金額変動の目安を追加した
2014/06/30
総コスト計算機能を追加
2014/06/27
投資方針の変更に伴い、上限購入金額の計算に待機資金プールの概念を導入した。
念のため…
できるだけ正確な情報・計算になるよう心掛けてはおりますが、このスプレッドシート一式の内容、ブログに記載の内容に基づいて被った損害について一切の責任を負いかねます。投資判断は自己責任でお願いいたします。