勤務先で定期的に開催されている、個別FP相談を受けてきました。
資産形成の必要性を認識してから、これまで、リタイア後に備えた資産形成について考え、年金について調べてきました。資産形成については、インデックス投資・コツコツ投資について学び、すでに実践しています。年金については、「ねんきんネット」のサービスを使い、老齢基礎年金、老齢厚生年金の受給見込み額などを調べてきました。
年金に関して、幸いなことに、私の勤務先は、企業年金制度があるのですが、その受給見込み額のイメージがつかめずにいました。
この企業年金制度の詳細と、受給見込み額の目安を知りたいというのが、個別FP相談を受けてみようと考えた一番の動機です。
相談相手として、雑誌などで活躍しているFPさんや、会社の制度に精通している元社内FPで今は独立されているFPさんを選ぶことができるのですが、今回は企業年金についての質問がメインでしたので後者の方にお願いしました。
相談を受けるための準備
これまで、FP相談などを受けたことがないため、効果的な相談にするために、なにを準備したらいいのかが全くわからなかったので、思いつく限りの情報は整理して臨むことにしました。
具体的には
- 「生活防衛資金+みらい資産+不動産」と、それに妻の資産を加えた、2通りのバランスシートと資産内訳
- 毎月の支出リスト
- 資産構造・流れ・口座・アセットアロケーションを整理しましたの記事で作成した、資産構造とフローの図
- みらい資産の構造とアセットアロケーション
- 確定拠出型年金のアセットアロケーション
を準備していきました。
バランスシートと資産内訳はマネーフォワードに不動産や、妻の資産を手入力して作成しました。とても簡単にバランスシートが作れるのはいいですね。
不動産の価値については、固定資産評価額で計上しました(その結果とても安全寄り=安めの評価になりました)。
毎月の支出も、マネーフォワードで出力された月間収支を参考にして作成しました。
企業年金の仕組み
予約時間になり、応接室にはいって個別相談がはじまりました。申し込み時に、「企業年金の仕組みについて知りたい」と記入していたので、自然とそこから話がはじまりました。
退職金と企業年金の関係が理解できていないことを伝え、説明してもらいました。
- イントラネットなどで閲覧できる退職金の一部が、退職時に支払われる退職金で、残りが企業年金基金分の資産であること
- 企業年金基金の資産は一時金で受け取ることもできるし、年金として受け取ることもできること
- 年金には、保証期間付終身年金や、保証期間付有期年金などの仕組みがあること
- 在職中の利回り、退職後の利回りと、それぞれに最低利回り保証があること。
- それぞれの利回りの決定方法
- 受給開始年齢は60歳
- 受給見込み金額の計算方法
- 企業年金基金の基本投資方針やアセットアロケーション
など、知りたいことは一通り教えてもらうことができました。
企業により、細かい決まりは違うようですが、原則、企業年金の受給金額の計算は以下のように行うとのことでした。
- 退職金や確定給付年金の付与額と、在職中最低利回りなどをもとにして、退職時の年金原資を計算する
- 計算した年金原資と、年金受け取り期間、受取期間内の最低利回りなどをもとに年金額を計算する
いずれも、金融電卓があればすぐに計算できるとのことです。
といっても、普通の人は金融電卓など持ってないので、モーニングスター [ 金融電卓 ]などを活用します。
年金原資の計算は「運用-利回り」のタブで計算できます。毎年の付与額見込みと、利回り、期間などから原資を求め、そのうちどれだけを年金の原資にまわすか/まわせるかを決めて、年金原資を決めます。
次に、「取崩し-受取金額」のタブで、受け取り期間とその間利回りをもとに、受給見込み金額を計算することができます。
正確を期すためには、勤務先の担当に問い合わせていただくのがよいかと思います。利回りの決め方や取り崩しの計算方法が独自の可能性もあるようなので。大抵、受給金額の計算方法や、計算のための係数がわかりやすく提示されているそうです。
FP相談って普通、何を話すのだろう?
ここまでの会話で、話したいことの半分は終わってしまいました。開始後10分弱しか経過していません。
「ほかに何かありますか?」と聞いてくれたので、老後のことを考えて資産形成について勉強をはじめたこと、今考えているのはこんな感じです!と準備してきた資料を見せながら説明をしました。
一通り説明をおえたところで
うーん、すごいですね。FP相談にこんな資料を用意してきてくださる方はまずいませんよ。普通、アセットアロケーションなんて言葉すらでてこないですからね。ははは。どうしようかなぁ。あんまりアドバイスできることないなぁ。ははは。
とのこと。そしてしばしの沈黙。
し、しまった。事前にいろいろ準備しすぎたかも…
「強いて言えば…」ということでアドバイスしてもらったのは
- しっかりリスク許容度について考えて、しかも保守的なアセットアロケーションを組んでいらっしゃる&ダブルインカムで安定した収入がある→金利が安いうちは、毎月の追加の住宅ローン繰り上げ返済分を手元に置いておくということを考えてもよいかも
- 奥さんの「持ち株会」の資産は、さすが集中しすぎているので分散したほうがいい(はい、同感です)
- 確定拠出型年金の制度が変わったら、確定拠出年金もあわせた全体のアセットアロケーションを考えたほうがいいかも
- 奥さんの確定拠出年金のアセットアロケーションは工夫したほうがよい(はい、同感です。いまはすべて元本保証商品なので)
- 奥さんの保険は少し無駄が多いようですね(はい、同感です)
でした。「安定した収入がある」については、妻はその通りですが、私については甚だ怪しいところではあります(という話をしました)。
あとは、
- 奥さんにも資産形成についての意識を持ってもらえるといいですね
- 運用も大事だけど、資産形成において一番大事なのは収入と節約。一番効果があるのは、ダブルインカム・ダブル年金
- 子育てと共働きで大変だけど、お互いにサポートしあって、ダブルインカム・ダブル年金を維持できるよう頑張ってください!
という、FP相談なんだか、人生相談なんだかわからない話になってしまいました。
もともと、私が雑談が得意な方ではないため、これ以上話が弾まず、早々に相談終了。45分枠のところが20分程度で終了してしまいました。
会社が費用負担して開催している相談会であることもあり、終始、相談者の立場に立った相談・アドバイスでした。
普通、FP相談ってどんなこと話すんですかね…。気張って準備しすぎたのが裏目にでてしまいました。
まとめ
企業年金の仕組みや受給見込み額については完全に把握することができたので、一番の目的は達成することができました。これで、一定の仮定の下での、基礎年金、厚生年金と企業年金の受給額の目安が把握でき、より具体的なイメージ(と危機感)を持てるようになりました。
また、来るべき老後(とその前の教育資金需要)にそなえて、しっかり夫婦で稼いで、しっかり無駄を省き(単純に節制するだけだと人生つまらないのでメリハリつけて)、コツコツ投資を続けていこうと決意を新たにすることができました。それと同時に、やはり妻と資産形成について早く意識をあわせなければならないことも痛感しました。
しかし、FP相談という点では、もう少しうまくやるべきだったと反省しています。もう少し受け身でいろいろ話などを引き出せるようにすべきでしたね。普通はどういったこと話すんだろうと疑問が残ったままです。
いずれにしろ、企業年金がある方には、一度仕組みや受給見込み額について調べてみることをおすすめしたいです。
コメント
いつも参考にさせて頂いております。貴重な情報有難うございました。先日バリュー平均のエクセルもダウンロードさせて頂きました。大雑把な私は使いこなせないかもしれませんが、参考にさせて頂きます。引き続き宜しくお願い致します。