時価総額ウェイトとリバランスの関係でモヤモヤ

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「時価総額ウェイト」と「リバランス」の関係についてモヤモヤとしています、という話です。

写真は、東京都大田区にある城南島海浜公園からの羽田国際空港です。

二つのレベルでの「時価総額ウェイト」

私は、国内株式、先進国株式、新興国株式の株式クラスへの投資には、TOPIX、MSCIコクサイ、MSCI Emerging Marketsといった、時価総額ウェイトインデックス(時価加重インデックス)ファンドを活用しています。

効率的市場仮説や市場の効率性というものを信じているから、というわけではなく、現時点で使いやすく低コストで広く分散投資できるのが時価総額ウェイトインデックスである、というだけの理由です。

他方、株式クラス内の比率、すなわち国内株式、先進国株式、新興国株式の比率も、現時点で1:8:1と、おおむね時価総額ウェイトとしています。

以前「リスク資産の有効フロンティア」なんかを気にしながらいろいろ試算してみたところ、計算の基礎になる、各資産クラスの期待リターン、リスク、相関係数によって、結果もいかように変わることがよくわかりました。

そのため、株式クラス内の比率をあまり気にしても仕方ないと考えるようになり、いっそのこと、これも世界の比率を丸ごとコピーすることにしたにすぎません。自分の裁量・判断で決めるよりは、ここも受け身になっておこうという考えです。

今は、各株式クラス別にインデックスファンドを保有しているので、このように二つのレベルで「時価総額ウェイト」が見えますが、バンガード®・トータル・ワールド・ストックETF(ティッカー:VT)などの全世界株式をカバーしている時価総額ウェイトのインデックスファンドでは、全体がフラットに時価総額比率になります。

「時価総額ウェイト」のモヤモヤ

時価総額ウェイト=時価総額の比率(正確には、一般的に浮動株調整時価総額の比率)で資産を保有するということは、すなわち、市場で評価と期待を受けて時価総額の比率が高くなっているものをその分だけ保有するということになります。

これと、「高くなったものを売り、安くなったものを買う」「ポートフォリオのリスクを制御して、既定のリスク許容度の範囲内に抑える」ことを目的として行う「リバランス」との関係にモヤモヤと悩んでいます。

時価総額ウェイトだと高くなったものの比率はそのまま上がるということなので、自分のアセットアロケーションも時価総額比率の変化に伴い変えていく、となった時に、「高くなったものをさらに買い増す」となり「リバランス」の考え方に逆行することにならないだろうか?という悩みです。

世界の株価の時価総額比率は結構ダイナミックに変わるもののようです。例えば、1980年代後半から1990年代初頭の日本のバブル期の世界全体に占める日本株式の時価総額比率。バブル期の実体験がないので、にわかには信じられないのですが、「時価加重インデックスの問題点」について~日興アセットマネジメント:資産運用シリーズ(3)~ によると、当時は、日本株式の比率が44.0%にも及んだそうです。その時の米国株式の比率が29.2%とのこと。それが現在(2015年3月)では、日本株式が約8.4%、米国株式が約50.8%になっています。

時価総額比率が変わるにつれ、自身の保有比率(アセットアロケーション)も変えていくか否かは、考えて決め、納得しておかなければと考えるようになりました。

世界の株式の時価総額比率を調べるには、世界各国のPER・PBR・時価総額(毎月更新) |ETF・インデックスファンドなら!『わたしのインデックス』が便利です。
World Federation of Exchangesのデータが信頼できる一次データとして利用できそうですが、データの加工の手間が必要です)

とはいえ大事なことは

何よりも大事なことは、背負うリスクを常に自分のリスク許容度の範囲内に抑えること。

実は鍵になるのは、国内債券クラスや無リスク資産の比率とのこと。

【第5回】 保有資産の値動きの9割を決める資産配分の「肝」は意外にも日本債券だった! – 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

それに比べれば株式クラス内の比率は些細なことかもしれず、そんなに根を詰めて考えるものでもない気もします。考えた分だけリターンを上げたりリスクを下げたりできるものでもないわけで、「決め」の問題でもありそうです。

常に自分のリスク許容度に思いを巡らせ、定期的に自身のポートフォリオを点検して、リスク許容度の範囲内に収めること、節約と仕事に精を出して拠出できる「みらい資産」元本を少しでも増やすことに労力を割いていくのが得策のようです。

時価総額ウェイトのモヤモヤについては、「のんびり」、ただし、「わすれないように」考えていきます。世の中でも各種スマートベータ(等金額ウェイトも含む)など時価総額ウェイト以外の手法についても検討が進んでいるようですしね。

時価総額別のリスクの分析―等金額ウェイトインデックスに向けて
インデックス・ドライバーのRockyさんの数学的分析・説明と、実際の等金額ウェイトインデックスのパフォーマンス実績などから、リスクを最小化で...

追記

この記事公開後に考えて納得したことをまとめた記事です。あわせてご覧いただければと思います。

「アセットアロケーション」と「リバランス」の大前提に「資産クラス(アセットクラス)」
先日の、時価総額ウェイトとリバランスの関係でモヤモヤの記事で書いた「モヤモヤ」のポイントが、時価総額ウェイトでもリバランスでもなく、資産をど...
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コメント

  1. かなさん より:

    はじめまして、ヒロさん。この記事に対してお礼を言いたくてコメントを残します。

    ちょっとストーカーっぽくて申し訳ないのですが、この記事UPから連なるツイート群を見て、すごく腑に落ちました。自分のアセットアロケーションを世界の時価総額に追従すると決めたとして、その場合、リバランスはみなさんどうしているのか(本当に時価総額を追いかけているのか)と謎だったからです。
    追従すると決めたなら、追従していけばいいのですね。たとえ日本が世界の4割占めていても。(まさかアメリカより割合が高い時期があったなんて知りませんでした)世界がそれでいいと認めているからこそ、その高い割合になる、と。

    考えてみれば、インデックス投資とは、世界経済がゆるやかに発展していくことが大前提であり、その発展を享受するために時価総額比率をそのまま受け入れることは、正しいやりようなのかもしれません。

    自分の中で答えが出たので、うれしくなってコメントさせていただきました。ありがとうございます。
    (バリュー平均法、なかなか難しくて理解が追いつきませんが、いつも参考にさせてもらっています。これからも記事楽しみにしています。)

  2. 森村ヒロ より:

    かなさん、コメントありがとうございます。

    私も、モヤモヤの記事を書いているときは、何がしっくりきていないのかもよくわからない状態でしたが、Twitter上でアドバイスをもらってだいぶ整理ができ、いまではスッキリしています。

    そのスッキリ編を
    「アセットアロケーション」と「リバランス」の大前提に「資産クラス(アセットクラス)」の記事にまとめました。

    今後とも当ブログをよろしくおねがいします。
    (Twitterのほうもご迷惑でなければどうぞよろしくおねがいいたします)