いまさらながら、マネーフォワードを利用しはじめました。
これまでは、各金融機関の使い分けがあいまいだったり、漠然としたセキュリティ面での不安から踏み切れずにいたのですが、資産を構造化して管理していくためには活用すべきサービスであろうと決心しました。
使ってみたら、これがもう、噂にたがわず本当に便利で、これまで使ってこなかったことを悔やんだほど。
これなら、家計簿習慣の全くなかった自分でも家計簿を続けられそうです。
この記事では、マネーフォワードを使ってみてよかったこと、注意が必要なところ、より安全に便利に使うための工夫についてまとめてみます。
マネーフォワードとは?
マネーフォワードは、複数の口座情報を一括して管理して、家計簿自動作成したり、資産状況を一括して把握することができるサービスです。
保有する口座(銀行や証券会社)や、クレジットカード、Amazon、楽天といった通販のアカウント情報を登録することにより、自動で情報を収集して家計簿を作成したり、資産状況をまとめてくれたりします。
一部機能は無料で利用できますが、フル機能を使おうと思うと、有料のプレミアムプランに加入する必要があります。
サーバー側に、ID、パスワードなどの認証に必要な情報を預ける形になるので、一定のセキュリティリスクを負うことになる点は注意が必要です。
登録した認証情報が漏えいしたときにどうなるかを想定してリスクを理解することができ、利便・ベネフィットと天秤にかけて、判断できるようになるまでは利用を控えたほうが安全かと思います。
ログイン用(参照用)と取引用(決済用)の認証がわかれている場合はある程度安心できますが、そうでないものがやや危険です。
また、利用するにあたっては、KeePassなどのパスワード管理ツールを活用して、それぞれの口座等のパスワードをランダムで堅牢なものとし、使いまわしを避けることは必須で、これらなしでの利用は極めて危険です。
導入してよかったこと
口座の棚卸ができた&重要書類を処分できた
マネーフォワードを使うためには、所有している口座を登録する必要があります。
その過程で、自分の保有している各種口座等を見直すことになります。また、登録にあたっては、セキュリティ性確保のため、それぞれ、堅牢なパスワードを生成して再設定することになります。
これらを通して、これまであまり使ってなかった口座等を見直すことができました。使ってない口座になぜか20万円も入っていて、少しお得な気分になったりもしました(もともと自分のものだったんですけど)。
また、棚卸と整理の結果、KeePassにID、パスワード、口座番号などを集約して一元管理するようにしたため、大事にしまっていた口座開設時にもらった書類をまとめて処分することができ、すっきりしました。
口座の用途を明確化することができた
これまでは、一つの口座で、複数用途の資金を管理していたため、管理がしにくい、あいまいになるなどの問題がありました。
マネーフォワードでは、「グループ」という機能があり、例えば資産を「投資」「家計」「年金」など区別して管理することができます。正確には全体を様々な切り口で見ることができます。
口座単位でグループに振り分けることになるため、論理的に複数の用途で使っている口座は管理しにくくなります。
すると、自然と本来あるべき姿、すなわち、一つの口座は一つの用途で使うようになってきます。
私も、これがきっかけで、ようやく、生活防衛資金などの家計と、資産形成のための投資の口座を物理的に分離することができました。以前から整理しなきゃとは考えていたのですが、きっかけがつかめずにいました。
明確化により、全体の見通しがとてもよくなり、管理がしやすくなりました。
月末に生活防衛資金のほうの口座をみて、決めた金額を超えている分をそのまま投資の口座に移す=その金額が当月の貯蓄金額として可視化できるなど、簡単に仕組化できます。
家計簿・バランスシートがほぼほったらかしで作れる
私は、現金で買い物をすることがなく、ほとんどがクレジットカード、電子マネー決済しています。また、私が決済する書籍や日用品はほとんどAmazonで済ませています。
ほぼすべての収入と支出、Amazonや楽天については購入したものを自動収集して整理してくれます。
一度、振替や仕分けの設定をすると、ほぼ全自動で家計簿ができてしまいます。
不動産の評価額など口座以外の情報も手入力できます。
これらの情報をあわせた全体の資産状況も、自動でバランスシートの形で確認することができます。
気を付けなければいけないこと
セキュリティについて
マネーフォワードはとても便利ですが、前述のとおり、セキュリティ上のリスクも存在します。
リスクとベネフィットのトレードオフ判断をしたうえで、利用するかどうかを決めるべきです。
セキュリティリスクについて、理解できない場合は理解できるようになるまでは保留したほうがよいでしょう。
使い込むためには有料サービスを使わざるを得ない
無料プランでも多くの機能を利用することができますが、本格的に使っていくうえでキーになる機能は有料のプレミアムサービスプラン(税込500円/月)でしか使えないようになっています。
無料プランにはいくつか制限がありますが、特に痛いのが
- 登録できる口座が10個まで
- 作成できるグループが1つまで
という制限です。
銀行口座、証券口座、クレジットカード、電子マネー、Amazon、楽天、確定拠出年金、基礎年金など登録していくととても10口座では足りません。
また、登録した口座を様々な切り口で見るためにはグループ機能は必須です。
- 生活家計
- 投資
- 年金
- ポイント
- 全体
など少し考えただけでもこれくらいの切り口で見たくなります。
使いこなしのためのコツ
しばらく使ってみて気づいた、使いこなしのためのコツです。
費目の設定
どのような明細を、どの費目(項目)に振り分けるかは、そのままでも、かなりの精度で面倒を見てくれています。
しかし、個人の管理の都合上、あえて異なる費目に分類したいこともあります。
振り分けルールを設定しておくと、以降、新しく同様の支出・収入があったさい、そのルールを適用してくれます。
家計簿に慣れてない私は、費目でとても悩みました。しかし、検索すると、家計簿・節約系のブログやQAがたくさんでてくるので大変参考になります。
残念ながら、費目の大項目は変更できないので、既定の大項目のしたの中項目で工夫しなくてはいけません。
悩んだらおおざっぱにする、必要になった時点で細分化する、がよさそうです。
振替の設定
口座間の資金の移動を「振替」とすることにより、収入・支出から除外してくれます。
この振替設定も保存して以降の取引に適用してくれます。
振替に設定した時も、グループで確認しているときのグループをまたぐ移動は収入・支出として計算してくれます。
これにより、投資用口座への資金の出入りを自動で確認することができるようになります。
履歴の取りやすい買い物方法
Amazonや楽天での買い物は、購入した商品単位で管理してくれる上に、自動でクレジットカードから振替にしてくれます。
これにより、いつ、何をいくらで買ったのかが、商品単位で自動で管理できます。
リアルのお店でも、現金決済よりはクレジットカード決済のほうが管理しやすくなるでしょう。
現金のほうが買い物の歯止めがきく、といったケースでない限りは履歴の残る方法で買い物をしたほうがよいでしょう。
楽天の買い物は、使用したポイントが、使用したときに収入として計上されるようです。これは少し直感に合いません。楽天での買い物は、クレジットカードの引き落としのほうで計上せざるを得ず、せっかくの連携を活用しにくい状態です。この点、Amazonのほうが管理は楽です。
このように、ちょっとの金額差なら、管理のしやすいところで買い物したくなります。が、管理のしやすさのために高い買い物をするのは本末転倒なのでバランスでしょうね。
ポイントの扱い
楽天ポイント、Amazonクーポン・ポイントなども扱うことができますが、これをどう扱うかをあらかじめ決めておいたほうがよさそうです。たとえば、ポイントと現金やカードを振替扱いにするかなど。
私自身は、まだ試行錯誤中ですが、「ポイントは割引・おまけの一種」という扱いにしたいと考えています。
しかし、金券ショップなどでポイントを購入して節約するといった場合にはまた別の扱い方のほうがよさそうです。
Edyカードを選ぶべし
Edyへの入金、買い物も管理することができますが、管理できるのは、「楽天ポイントを貯められるEdy」に限られます。楽天のサーバーをつかってEdyの使用履歴や残高を確認しているためです。
「楽天ポイントを貯められるEdy」は意外と限定されています。おサイフケータイなら大丈夫。カード型の場合は選ぶ必要があります。
参考:Edyカードで楽天スーパーポイントを貯める カード選択
私は、毎日Edyをつかっている&おサイフケータイだとバッテリ切れや携帯していないこともあり都合が悪いため、カード型Edyを利用していたのですが、「楽天ポイントを貯める」に対応していなかったので「+K Edy+Rポイント」に乗り換えることにしました。