「一流の育て方」は一般的な親に適した良質の子育て教科書

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「一流の育て方 – ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる」という本を読んでいます。

タイトルだけ見ると、ずいぶんとキャッチー&煽り気味なので、敬遠したくなる方も多いかと思うのですが(私も初見はそうでした)、内容はすごくまっとうで、私を含め一般的な(凡人な)親にとって、示唆に富む大変良い内容だったのでご紹介したいと思います。

(教育についての話題なので、投資とまったく関係ないわけではないのですが、インデックス投資とは直接は関係のない話題です。ご興味のある方のみお読みください)

「一流の育て方」は子育てのデザインパターン集

「一流の育て方 – ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる」というタイトルだけだと、どこぞの教育に熱心な親御さんが、もともと素質のあったご子息を、東大やら海外の有名大学に進学させた特殊な経験談をまとめたものを想像される方も多いかと思います。

しかし、本書はそうではありません。

  • 「主体的に幸福な人生を切り開ける子ども」「多くの選択肢を与え、自分は何が好きで、何が得意かを気づかせる」ために親がしてあげられること、のうち優先度の高いもの=効果の高いものを取り上げている。
  • ある特殊例、我流ではなく幅広くアンケートを行った結果をもとに効果のある方法を取り上げている。
  • 押し付け、画一的な方法ではなく、子ども・環境の多様性を考慮し、ケースバイケースの背反する方法を解説している。
  • 親(4人のグローバルエリートを育てた+他人の育児相談に乗っている)と、その子(グローバルで活躍されている)の2つの視点から語られている。

といったことを主題・特徴にしています。

勉強ができる、受験競争に勝てる、といったところではなく、さらにその先の先にある、「より幸福な人生」を「自分で切り開けるようになる子ども」を育てるというところに焦点をあてており、そのために、いま親ができることについて、実践的なアドバイスが書かれています。

この本を読み進めたとき、「あ、これ子育てのデザインパターンだ」と感じました。

デザインパターンという用語は、ソフトウェア設計の分野でよく使われる概念ですが、それ以外の分野でも通用する概念です。

専門家、経験豊富な先人が、その長い経験から発見したり、編み出したりしたノウハウを、認識し、再利用しやすいように名前を付けて整理してカタログ化したもの、といった感じでしょうか。定石集といってもよいかもしれません。

本書は、定石(多くの場合でよい効果をもたらすもの)から、ケースバイケースで薬にもなるし毒にもなるケース、両方をしっかりと識別し、説明を加えてまとめています。

繰り返しカタログ的に参照できるような構成になっているものよいです。

多くの親が悩みそうな問題にフォーカスしている

本書の内容がとても濃厚かつ、各ポイントについて簡潔にまとめられているため、ポイントをまとめようとすると、目次にある項目をすべて取り上げなくてはいけなってしまいますので、特に特に印象に残ったキーワードを取り上げておきます。

  • 怒る時はどう怒るべきか。
  • 外国語教育は幼少期からはじめるべきか
  • どんな習い事をさせるべきか。
  • 習い事のはじめかた、やめさせかた。
  • 自分から勉強をさせるためにはどうするべきか。強制するべきか、自由にさせるべきか。習慣づけるためにはどうしたらよいか。
  • やる気・やりぬく力をつけさせるためにはどうしたらよいか
  • 「勉強以外の勉強」をさせるにはどうしたらよいか

などなど。多くの一般的な親が悩みそうなポイントが多いはずです。

主要想定読者は小学生の親だと思いますが、それよりも小さい幼児の親にとっても示唆に富んだ内容になっています。今すぐにでもできることが多いです。

子育てをされているかたには、タイトルだけで食わず嫌いになるのではなく、一度手に取って見られることをおすすめします。その時点で、やはり性に合わなければ、そっと棚に戻せばいいだけですから。

関連書籍として、もう一冊おすすめしたい本があります。「一流の育て方」の帯に推薦コメントを寄せられている中室牧子さんの

です。

こちらもタイトルだけをみると、「お金と学力の関係か」と思われるかもしれませんが、さにあらず。内外の研究成果をもとに、教育を科学的な手法(経済学的な手法)にもとづいてわかりやすく紹介しています。

だいぶ話題になっていたので、既読の方も多いかと思いますが、もしまだご覧になったことがない方には、こちらも一度手にとってみられることをおすすめします。

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