本日、バンガード社から、50本の米国市場上場のETFが、日本の証券会社を通じて売買できるようになることが発表されました。
50本の米国籍バンガードETF™の新規取扱いを開始 ~ETF取扱い本数は計67本に~
すでに以下のブログでも記事にされています。
- コツコツ投資日記 – 50本の米国籍バンガードETFが近日中にオンライン証券3社で取扱開始!!
- 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー – 一挙50本のバンガードETFが取り扱い開始。何でもある、何でもあるよ!
ラインナップの豊富さ、低い総経費率に驚くばかりですが、私自身は、まだそれぞれをどのように使ったらいいか想像もつかないので、しばらくの間は勉強を続け、これが必要だ!と判断できたときにお世話になろうかと思っています。
VTについては、そう遠くない将来に、リレー投資に挑戦できたらいいなと考えていますが…(それを視野に入れて株式の比率を先進国:新興国:国内=8:1:1にしてたりします)。
この記事では、バンガードのETFの国内新規取扱を記念して(?)&近い将来実行に移すかもしれないVTへのリレー投資の事前調査として、直近の米国ETFの乖離率の水準を見てみます。
基準価額と市場価格の乖離率
ETF(上場投資信託; Exchange Traded Funds)は、上場されている投資信託のことで、個別株式と同じように市場で売買されています。そのため、売買されている投資信託の本来の価値(基準価額; 英語ではNAV; Net Asset Valueと表記される)と、売買される価格(市場価格; 英語ではPriceと表記されることが多い)に差が生じることがあります。
基準価額と市場価格との乖離率は、この乖離の程度を割合で表現したもので「(市場価格 – 基準価額)/ (基準価額)」で計算されます。
- 0%→乖離なし
- マイナス→市場価格が割安(ディスカウント, discount)状態
- プラス→市場価格が割高(プレミアム, premium)状態
とされます。
当然、乖離がないのが一番望ましい状態です。
国内ETFの乖離率水準
はじめに、参考として、国内市場に上場されているETFの直近の乖離率を見ておきます。
日本の東証に上場されているETFの乖離率は、モーニングスターのページなどで確認することができます。
たとえば「上場インデックスファンドTOPIX (1308)の乖離率時系列データ」や「MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 (1550)の乖離率時系列データ」など。
本記事執筆時点(2015年2月9日 21:30ごろ)に取得した、両ファンドの乖離率時系列データを内容を引用します。
上場インデックスファンドTOPIX (1308)
MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 (1550)
1308と1550は、あくまで一例として挙げただけで、ほかのETFも同様の傾向です。売買高の多いTOPIX/日経225のETFは乖離が小さく抑えられているのに対し、売買高の少ない外国株式を含む指数をベンチマークとするETFは乖離率のばらつきが大きい傾向にあります。
それぞれの1日あたりの売買高(2015年2月9日の例)は、上場インデックスファンドTOPIX (1308)が425,600株(2015年2月9日)、MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 (1550)が7,490株です。
米国ETFの乖離率水準
米国ETFの乖離率は、運用会社のページで、分布として参照することができました。
ここでは、
- バンガード社のVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF-全世界の大型、中型、小型株),
- バンガード社のVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF-米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%),
- ブラックロック社のTOK(iShares MSCI Kokusai ETF-日本を除く先進国の株式)
についてみてみます。
いずれも、2014年10月~12月の四半期の実績です。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
iShares MSCI Kokusai ETF(TOK)
VT, VTIは、対象期間においては±0.50%以上の乖離はなかったようです。
米国市場では決してメジャーとはいえないはずの(推測)、TOKも90%以上の日で±0.50%未満の乖離に収まっており、最大の乖離でも1%ちょっととなっていました。
個人的には、乖離率は、時系列よりも分布のほうが、見やすくてイメージしやすい気がします。
健全な競争でよりよい投資環境を…
今回のバンガード社の取扱銘柄の増強で、インデックス投資の本場、米国基準のインデックスファンドが国内でもより身近になりました。
米国籍、日本籍関係なく、インデックスファンドの間で健全な競争をしていただくこと、我々投資家も賢い選択眼をもち、良いものは良い、悪いものは悪いとハッキリ行動と実績で意思表示することにより、よりよい投資環境の実現につなげられればよいなと思います。
その点で、今回のバンガード社の発表は日本の投資環境にとって良い刺激になるのではないでしょうか。
私も、コツコツインデックス投資の経験を蓄積して、いつの日か、今回発表されたようなETFを使いこなせるようになれるよう、マイペースで頑張ります。