国内ETFの実質コスト比較(2014年7月)

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インデックス投資に適した主要な国内ETFの実質コスト、総資産総額、最低購入金額、乖離率などを一覧して比較できるようにまとめましました。

みなさまのinvestment vehicle(投資に利用する金融商品)の選定のお役にすこしでもなれるとうれしいです。

今後も継続的にウォッチして公開していく予定です。

今のところ調査対象は、国内株式(日経225、TOPIX)、先進国株式、新興国株式、全世界株式としています。

他のインデックスのリクエストがありましたらお知らせください。

以下の記事でデータを更新しました。

国内ETFの実質コスト比較(2014年8月末)
多くのファンドの新しい決算短信が公開されましたので2014年8月末時点での、インデックス投資に適した主要な国内ETFの実質コスト、総資産総額...

計算方法は以下の記事をご参照ください。

国内ETFの実質コスト計算方法
国内ETFの実質コストの計算方法をご紹介します。

国内ETFの実質コスト・総資産総額・分配金実績乖離率の比較表

国内株式 日経225

コード 名称 実質コスト 分配金課税込の実質コスト 信託報酬率(税込) 総資産総額
(億円)
最低購入金額 乖離率
1320 ダイワ上場投信-日経225 0.19495% 0.42052% 0.16800% 8,105 15,580 履歴
1321 日経225連動型上場投資信託  0.23683% 0.48975% 0.23100% 19,280 15,580 履歴
1329 iシェアーズ 日経225 ETF 0.18786% 0.26886% 0.17850% 1,056 15,600 履歴
1330 上場インデックスファンド225  0.27365% 0.51355% 0.23625% 9,424 156,300 履歴
1346 MAXIS 日経225上場投信 0.21509% 0.46757% 0.17850% 5,538 15,560 履歴
1578 上場インデックスファンド日経225(ミニ)  0.28950% 0.54493% 0.23625% 49 1,230 履歴

国内株式 TOPIX

コード 名称 実質コスト 分配金課税込の実質コスト 信託報酬率(税込) 総資産総額
(億円)
最低購入金額 乖離率
1305 ダイワ上場投信-トピックス 0.14363% 0.30394% 0.11550% 11,357 13,130 履歴
1306 TOPIX連動型上場投資信託 0.14046% 0.46107% 0.11550% 16,922 13,020 履歴
1308 上場インデックスファンドTOPIX  0.12896% 0.43930% 0.09240% 7,951 128,700 履歴
1348 MAXIS トピックス上場投信  0.12004% 0.39100% 0.08190% 1,922 12,950 履歴

先進国株式(除く日本) MSCI-KOKUSAI

コード 名称 実質コスト 分配金課税込の実質コスト 信託報酬率(税込) 総資産総額
(億円)
最低購入金額 乖離率
1680 上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)  0.21319% 0.49510% 0.15750% 88 18,320 履歴
1550 MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信  0.21924% 0.59666% 0.15900% 42 17,500 履歴
1581 iシェアーズ 先進国株ETF (MSCIコクサイ) ETF-JDR(TOK) 0.25000%? 0.40830%? 0.25000%? 5167
(mil. USD)
5,660 東証

新興国株式 MSCIエマージング・マーケット/MSCIエマージング・マーケットIMI

コード 名称 実質コスト 分配金課税込の実質コスト 信託報酬率(税込) 総資産総額
(億円)
最低購入金額 乖離率
1681 上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)  0.22278% 0.22278% 0.15750% 67 13,350 履歴
1582 iシェアーズ エマージング株ETF (MSCIエマージングIMI) ETF-JDR(IEMG) 0.18000%? 0.31131%? 0.18000%? 507 5,270 東証

全世界株式(除く日本) MSCI ACWI ex. Japan

コード 名称 実質コスト 分配金課税込の実質コスト 信託報酬率(税込) 総資産総額
(億円)
最低購入金額 乖離率
1554 上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本  0.30998% 0.54231% 0.21000% 22 15,960 履歴

備考

  • 国内ETFの実質コスト計算方法で実質コストを計算しています。
  • 実質コストの計算には、2014/07/23(JST)の時点公表されている最新の決算のデータを利用しています。
  • 決算短信は東証の上場会社情報サービスから入手できます。
  • 総資産総額、最低購入金額は2014/06/30(JST)の終値ベースのデータを利用しています。
  • 分配金は、2014/6/30時点のデータを利用しています。当該日時点の過去12か月の分配金総額に対して税率20.315%を乗じて、2013年7月から2014年6月の月の市場価格終値の平均で割った値を税額としています。
  • ETF-JDR(1581, 1582)については、実質コスト、総資産総額を、それぞれ、2014/07/23(JST)の時点での原証券のexpense ratio, net assetsとしています。総資産総額については円建て額が公表されていない場合にはUSD建てのまま記載しています。ETF-JDRの分配金に対する課税については法解釈や分配金の受け取り方、各証券会社の対応などによって変化がありそうなので注意が必要です。
  • ETFの基準価額(実際の価値=1口あたりの純資産額)と市場価格の乖離率については、モーニングスター社のページへリンクしています。ETF-JDR(1581, 1582)についてはモーニングスターでは公開されていないため東証(履歴なし)のぺージへリンクしています。ETF-JDRの履歴は、iシェアーズが公開しているインデックス/NAVの推移(1581, 1582)、日銀が公表している時系列統計データ、市場の取引価格終値をもとに計算することが可能ですが、すでに水瀬ケンイチさんの梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーにて、定期的に計算・公開してくださっているのでそちらを参照されるのがお手軽です。

考察・所感

海外株式クラスの国内ETFの実質コストは十分に低廉であることがわかります。たとえば1680は、目論見書ではコスト=0.25%+その他の費用で、最大0.37%(税抜)となっていますが、実績としては、消費税率5%の税込で0.21319%です。運用コストの優位性だけの理由で海外ETFを選択する意味はなくなりつつあるのかもしれません。

分配金の課税コストを改めてコスト率としてみてみると、想像していたよりずいぶん高いことがわかりました。

課税口座で運用する場合、分配金の課税を含めてコスト比較する必要があります。

これまでの分配金実績から、各ファンドの当座の分配金に対する姿勢をうかがうことができますが、目論見書で分配金なしと規定されていない限り、将来も同様という保証はないところが難しいです。

運用期間が数年にも満たないインデックスファンドが今まで分配金を出していないからといって、今後も出さないとは限りません。同じように、分配金を出したインデックスファンドが今後も分配金を出し続けるとも限りません。

決まっていないものを前提にしてしまうと、物事の判断を誤ってしまいます。

梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー:ETFは分配金を出すけど、インデックスファンドは無分配?より

国内ETFについては流動性・換金性や乖離率が懸念されていますが、徐々に解消されつつあるといってよいのではないでしょうか…

流動性・換金性は、一般の投資家が通常売買する単位の注文であれば、指定参加者による値付け(マーケットメイク)で売買が成立するとのことで、まず問題なさそうです。

乖離率は、直近の実績をみる限り安定して推移しているようです。もちろん、水瀬ケンイチさんが指摘されている「現状は将来をサポートしない」は説得力があり考慮しなければなりませんが、他方、(少なくとも今回の調査対象としたメジャーなインデックスに関しては)カン・チュンドさんが指摘されている「ニワトリ・タマゴの問題」という考えもまた説得力があります。

もちろん海外ETFでしか買えない魅力的な商品も多いです。マネックス証券以外のネット証券会社にも早く外国株式の特定口座に対応していただき、外国株式の売買手数料の熱く健全な競争を繰り広げていただけると、消費者としてはうれしい限りです。

ETF-JDRの実質コストの計算方法がいまいち不明です。各種資料を読んでも計算に使えそうな、東証固有のデータが見当たりませんでした。JDRは原証券のexpense ratio以外の追加コストはかからないのだろうか…?どなたかご存知でしたら教えてください。分配金の税金に対する扱いもまだばらつきがあるようで注意が必要です。

日興アセットマネジメントの1680, 1681は、運用方法がデリバティブ(先物)型であることが功を奏しているのか(先物には配当が付かないかわりに、配当を織り込んで値動きするとのことなので)、分配金が原則なしというのが特徴的です。1680, 1681についてはkenzさんの日興アセットETF勉強会水瀬ケンイチさんの日興アセット・東証とのETF勉強会に参加の記事が大変参考になります。こうして個人投資家が直接運用会社などと対話できる環境、いいですよね。

通常の投資信託(非上場投資信託)、国内ETF、海外ETFの、自分なりのメリット・デメリットまとめ、比較、具体的なinvestment vehicleの選び方について、別エントリで取り上げられたらよいなーと考えています。

investment vehicleって言葉、投資商品を乗り換えの効く乗り物みたいに考えている点がインデックス投資のらしくてお気に入りです。日本語にしてしまうと「投資に利用する金融商品」みたいになるはずですが、インデックス投資ならではの雰囲気が消えてしまっていまいちな気がします。

変更履歴

本記事は適宜更新しております。

記事公開後の変更の履歴は以下の通りです。誤字脱字修正、言い回しの修正などエディトリアルな変更については記載していません。

2014年8月4日

比較表に、直近12か月の分配金実績をベースに計算した、分配金課税を加味した実質コストを追加しました。あわせて説明等も追記・修正しております。

分配金の税負担含めた実質コストについては、ブログ「Cubの日記」の記事を参考にさせていただきました。ありがとうございます。

2014年7月28日

実質コストの計算方法を変更しました。

「1305 ダイワ上場投信-トピックス」の計算に用いていた決算データを取り違えていたので訂正しました。

変更内容の詳細、および、変更・訂正による実質コストの変化は国内ETF実質コスト計算方法変更(2014年7月28日)をご参照ください。

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コメント

  1. ますいっち より:

    リンクありがとうございます。
    いつも、興味深く読ませてもらってます。
    とても参考になる記事ですが、1つだけ質問させてください。

    1550は自分も持ってるのですが、目論見書によると、

    当該ファンドの信託報酬 : 純資産総額×年0.162%以内(税込)
    投資対象とする投資信託証券 : 年0.108%(税込)(上限)
    合計 : 年0.27%(税込)

    とあります。
    森村さんの計算した実質値は0.21924%になってますが、目論見書よりも安く済んでいるということですか?
    それとも、これは当該ファンドの信託報酬だけですか?

    1550の決算短信にたどり着けなかったので、疑問を丸投げしてすみません。

    • 森村ヒロ より:

      お世話になってます。サイトを新しくしたあとの初コメント、ありがとうございます。
      三菱UFJ投信ではなく、日興AMから聞いた話ですが、目論見書中のその他のコストは、総資産総額に対する一定の割合で決まるものではないとのことで、上限を表示しているとのことです。ですので、実際にかかった営業費用合計から逆算すると、たいてい上限として提示されている割合(1550の場合、8%の税込で0.27%)より低くなるようです。これは1550以外でも同様の傾向みたいです。

      国内ETFはコストが上限で表示されていることが多いのでちょっと損をしている感じがします。まぁ、分配金の課税を加味するとコストが上がる方向なのでどっこいどっこいなのかもしれません。分配金の課税を含めた実質コストも追加しようとしているのですがなかなか手が回っていません。

      三菱UFJ投信のMAXISシリーズは運用会社のページから決算短信にたどり着けなくてとても不便ですよね。決算短信以外でも、目論見書PDFも設定でコピーペーストできないようにしてあったりと、三菱UFJは気配りがいまいちな気が…

      取得先ですがETFは上場されているだけあって、東証から取得できます。
      東証上場会社情報サービス
      でコードを入れて、「適時開示情報・ファイリング情報」のタブを開いた「適時開示情報」の中にあります。

  2. ますいっち より:

    確かに、自分でも上限と書いておきながら気づきませんでした。

    投信とETFをどう使い分けるのか検討中だったので、参考になります。
    今後、自分のブログで引用させてもらうかもしれません。

    ありがとうございました。

  3. 麻垣康三 より:

    ETFのコスト比較は、もちろん重要です。
    しかし、ETFのパフォーマンスは、コストだけで決まるものではないことを、最近痛感しました。

    具体論で説明しましょう。東証REIT指数に連動を目指すETFで、1343(野村NEXT FUND 東証REIT指数連動上場投信。管理報酬年0.3456%税込)と、1345(日興上場インデックスファンドJリート隔月分配型。同じく年0.324%税込)の、それぞれの2010年~2014年の各年の、「年間収益率」を比較してみます(野村のファンドは、毎度のことですが、交付目論見書に「年間収益率」が数字で出てない<棒グラフのイメージしか載せてない>ので、当方の手計算です。分配金は、全額を決算日<休日の場合は直後の営業日>に非課税で全額再投資したものと仮定して計算)。
    野村のETF=32.80%、-22.32%、40.52%、40.57%、29.19%
    日興のETF=33.40%、-22.30%、40.16%、40.33%、29.10%

    2010年と2011年はともかく、2012年以後は各年とも、コストの低い日興のETFがコストがより高い野村のETFに負けてる、という意外な結果です。

    なぜこうなったか、両ETFの決算短信を読み比べて、疑問が氷解しました。野村のETFは最近、その保有するREITを積極的に貸株に出して、管理報酬の1割を超える貸株収益を上げていたのです(日興の方は、REITの貸株をあまりしていなかった)。
    コストだけでなく、貸株に関する運用会社のポリシーも、ETFのパフォーマンスに影響するのですから、今後はこの方面にも注意を払う必要があるような気がします。

    もちろん、貸株にはリスクもあります(貸付先の破綻等のリスク)。ただし、日興アセットのETFのホームページには「貸株状況」という項目があり、それを見る限り、同社の貸株方針に限って言えば、担保をしっかり確保するなど、かなり慎重なようです。

    • 森村ヒロ より:

      情報ありがとうございます。

      なるほど、そういうところにも差があるのですね。こういった差はよく資料を読み込んでいかなければわからないものですね。

      それぞれどうなったかについては、各投資家がすぐにわかるようにしておいたうえで、どれがいいかを選べるような環境が望ましいような気がします。
      ご指摘の通りリスクもありますから、判断の情報を用意しておいていただいたうえで、投資家が判断しやすくなっていてほしいと思います。
      (インデックス投資家諸兄が、運用コストを重視しているのはそれが、どう転んでも「マイナスリターン」であることだと理解しています)

      大変勉強になりました。拙いブログではありますが、今後ともよろしくお願いいたします。